スタイリスト伊賀大介、フォトグラファー藤代冥砂ら4人の愛用本棚と愛読書

スタイリスト伊賀大介、フォトグラファー藤代冥砂、漫画家井上三太、FACTOTUMデザイナー有働幸司4人の自宅や事務所でリアルに愛用する書棚を拝見。小説、エッセイ、漫画など自身の愛読書3冊をチョイスして頂き、感想文付きで紹介!

i bought編集部

目次

井上三太 / 漫画家 / SANTASTIC!WEAR C.E.O

トライ&エラーを繰り返せと伝えてくれる本

井上三太の本棚

 

漫画やカルチャー関連と同じくらい、人の生き様を描いたノンフィクションものが多い井上三太の本棚。

「昔から、「人」に興味があって……。本を読んで、面白い人たちに人生の哲学を教わりたいんですよね」。

中でも今回フィーチャーしたのは、男の遊び方や恋愛に関する3冊。

「諸先輩方の恋愛論は、そのまま「生き方論」としても読めるんです」。

 

井上三太の本棚

 

自作のキャラクターたちに囲まれた仕事部屋。メインの本棚は隣の部屋にある 

 

井上三太の本棚

 

コアなブラックカルチャー系のアイテムと漫画やキャラクターものが入り混じった本棚

『おんなたらしの作法』ジョージ秋山

『おんなたらしの作法』 ジョージ秋山

 

「『捨てがたき人々』という非常に興味深い漫画の作者でもある・ジョージ秋山さんによる、イラスト付きの言霊集。この本で特に繰り返し語られているのが、“女性はみんな口説かれたがっている、だから男は女を口説かないと失礼だ”ということ。好きな女のコがいたら、とりあえず口説いてみたら? それが男の役目じゃない?と。そしてそれはそのまま生き方論としても受け取れます。ダメだったらどうしようとか、こんなことをしてはいけないとかを考えるのではなく、とにかく動いてみたらいいんじゃないかと。やりたいこととか就きたい仕事があったら、自分から動き出さないと人生は開けないんじゃないかと。すごくシンプルなことなんだけど、なかなかできない。自分も傷つくのはいやだし、実際にダメだったら傷つくけど、人生の先輩がこう言うんだったら、やってみようかなと。傷つかないように生きて最後に後悔するくらいだったら、ボロボロに傷つきながらも最後にやってよかったなあって感じられる人生を歩もうと思わせてくれる1冊です」

『太地喜和子伝説』木下英治

『太地喜和子伝説』 木下英治

 

「これは“いい女”についての1冊。三國連太郎と中村勘三郎。最近亡くなった超大物2人に共通するのが、太地喜和子と恋愛関係にあったこと。その話が赤裸々に語られています」

『「モテる男」はこれでいいのだ。』赤塚不二夫

『「モテる男」は これでいいのだ。』 赤塚不二夫

 

「ざっくばらんに自分の女遊びのことを書いていて、『i bought』に対する“おい、洒落者ども、かっこつけんなよ!”っていうアンチテーゼとしても読むことができます(笑)」

SANTA INOUE 井上三太(漫画家/SANTASTIC!WEAR C.E.O)

井上三太(漫画家/SANTASTIC!WEAR C.E.O)
園子温監督による実写映画版が来年公開されることになった伝説漫画『TOKYO TRIBE2』や『隣人13号』の作者。8月よりヤングチャンピオンで新連載『モテ介』がスタート

 

有働幸司 / FACTOTUM(ファクトタム)デザイナー

有働幸司のアトリエ

 

シーズンテーマに関連する本を徹底的に集めたり、時には本そのものがテーマになったりと、本と服のクリエイションが密接に関わっている有働幸司。
「実は本棚はこれまでのシーズンテーマ別に分かれていて、ブランドを始めてからの10年・20シーズン分の歴史が詰まっています」。

 

有働幸司アトリエ内の本棚

 

2段目右は2008年AWで掘り下げたSigur Rosやアイスランド関連、3段目右は2000年AWでスポットを当てたStuart Sutculiffe関連などと、シーズンごとに固めて陳列。

ちなみに当アトリエ、有働の前は片山正通が、さらにその前は小林節正が使っていたそう!

 

『デザインのデザイン』原研哉

『デザインのデザイン』 原 研哉

 

「この書籍には、ある建築家の本を読んだ後、その関連書として出会いました。“デザインのデザイン”。私も洋服のデザイナーとしていつも考え、問いかけています。本の内容は簡単なデザインの歴史に始まり、いろいろなデザイナーの方の作品が紹介され、デザインの持つ意味と意義などが書かれています。著者の原 研哉さんは、私も個人的に好きな無印良品のボードデザインチームの方。原 研哉さんの“市場を教育する”という視点には、とても共感を覚えます。ものを買うという行為にスポットを当て『i bought』とも関連深い1冊ではないでしょうか。そしてものを買ってもらうブランドのデザイナーとしては、いろいろなことを経験し、発想法、表現法、美意識などの引き出しをもっと磨き、さらに考えたもの作りが大切だと感じました。“デザインって何??”とあらためて考えさせられる本です。ぜひ、大勢の方に読んでいただければと思います」

『センス入門』松浦弥太郎

『センス入門』 松浦弥太郎

 

「挨拶から掃除まで、センスが良いとはどういうことかが独自の視点で語られています。松浦さんの本はほとんど読んでいますが、そのライフスタイルにはとても共感が持てます」

『レスポンシブル・カンパニー』イヴォン・シュイナード他

『レスポンシブル・ カンパニー』 イヴォン・シュイナード他

 

「パタゴニアの創業者の本。名著『社員をサーフィンに行かせよう』を集約して読みやすくしたような内容です。質の高い仕事をして必要以上に働かないというフィロソフィーが素敵」

KOJI UDO 有働幸司(FACTOTUMデザイナー)

有働幸司(FACTOTUMデザイナー)
2004年にテーラード、ワーク、ミリタリーを3本柱としたリアルクローズを展開するブランド、FACTOTUMを開始。本は小説から哲学、ビジネス関連までノンジャンルで多読する

 

※2013年06月発行『i bought VOL.02』に掲載された記事です。

※価格・販売状況は掲載当時のものになります。

SNSでシェアしよう

0 0 0 0

この記事に関するタグ

自分史が詰まったMy本棚に 仲間入りした名作 愛用本棚と、 最近良かった3冊

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう!

関連記事

井岡千浩が買った本

SON OF THE CHEESE(サノバチーズ)山本海人らの部屋着と愛読書...

i bought編集部
クリエイターたちのブックライフ 行きつけの本屋とお気に入りの本たち PART01

クリエイター行きつけの本屋5選と愛読書22選

i bought編集部
クリエイターたちのブックライフ 行きつけの本屋とお気に入りの本たち PART02

クリエイター5人の行きつけの本屋5選と愛読書19選

i bought編集部
クリエイターたちが リアルに愛用する本棚

Homble Niño江川芳文、WASTE TWICE川鍋基樹がおすすめする本6選...

i bought編集部
ボクの本棚に新しく仲間入りした 本を紹介します クリエイターの 「My本棚」と 自分史に残る1冊-中村秀一&石井文仁一-

本屋店主やフォトグラファーがおすすめする本とは?...

i bought編集部

この記事を書いたライター

i bought編集部

i bought編集部です。

こんな記事も書いてます