藤原ヒロシ、スニーカーへの想いを 『Fragment』本誌に込めて―溝口基樹対談
N.Y.の出版社、RIZZOLIから刊行されて話題となった『Fragment』。
日本のストリートカルチャーのカリスマとして、海外でもその名を知られる藤原ヒロシの初となる海外向けの著書だ。
これまでのアートワークや過去に手掛けた仕事、そしてスニーカーをはじめ影響を受けたモノたちが集約されたこの1冊。
藤原ヒロシの全貌を知ることを待ち望んでいた海外のファンたちから、早くも喜びの声が伝わってきているという。
いかにしてこのようなグローバルなブックが出来上がったのか?
今回、藤原ヒロシと本の装丁を手掛けたデザイナーの溝口基樹に、その完成への道程を訊いた。
目次
※1 『the shadow of the official art works』
2003年に限定999部で販売された藤原ヒロシのアートワーク集。
GOODENOUGHやAFFAなどのアパレルデザインをはじめ、CDジャケットやフライヤーなど、他ジャンルにわたるグラフィック作品を収録している
※2 『Personal Effects』
スニーカーやレザージャケットなどのファッションアイテム、愛用のギターやカメラのほか、アクセサリーやインテリア、日用品に至るまで、藤原ヒロシに影響を与えたプロダクツの数々を1冊に集約している
※3 『Sneaker Tokyo vol.2 “Hiroshi Fujiwara”』
スニーカーのトレンドセッターとしての藤原ヒロシにフォーカスし、愛用してきたモデルから、製作を手掛けたモデルまで、厳選された約200足のスニーカーを掲載。
日本語と英語のバイリンガルで編集されている
※4 『Boon』
日本のストリートファッションシーンを牽引した伝説的なマガジン。溝口基樹がエディトリアルデザインを手掛けていたことでも知られる。
藤原ヒロシは幾度も表紙を飾り、両者の出会いのきっかけともなった。
※5 MARTIN 000-28
藤原ヒロシはMartinなどの希少なギターも多数所有している。
写真はオーダーして製作したネイビーカラーのMartin。カラーリングにこだわっただけで、それ以外の仕様はノーマルとのこと
※6 LEICA M8
藤原ヒロシはライカの愛用者としても知られる。
デジタルカメラのM8もお気に入りの機種でいつも持ち歩いている
※7 HTM
藤原ヒロシ、NIKEのデザイナーのティンカー・ハットフィールド、NIKE CEOのマーク・パーカーの頭文字をとって2002年に始まったプロジェクト。
少量生産の希少モデルが大人気に。
現在も新作が発表され続けている
※8 SONY Cyber-shot DSC-RX100
大型のCMOSセンサーとF1.8の高性能レンズを採用することで、圧倒的な描写力を備えたコンパクトカメラ。
藤原ヒロシからその写りの良さについて聞かされた溝口基樹は、即座に購入に走ったという
※9 ジップロック
『Personal Effects』で紹介されている香港の輪ゴムのように、何気ない日用品も藤原ヒロシが愛用する対象。
取材当日もバッグの中にジップロックを携帯していた。
いつかオリジナルのジップロックを作りたいとのこと
※10 the POOL aoyama
マンションの室内プール跡地を利用したコンセプトショップで今年4月にオープン。
fragment designをはじめ、人気ブランドの希少なアイテムが並ぶ。
グラフィック関連は溝口基樹が担当。
the POOL aoyama公式WEB
『Hiroshi Fujiwara Fragment』
今年6月、アメリカの出版社、RIZZOLIから刊行された藤原ヒロシのモノグラフ。
自身のグラフィックワーク、過去に手掛けたGOODENOUGHやAFFAのアイテムやスニーカー、愛用の品々などが収録されており、これまでの30年間にわたるキャリアを凝縮した1冊に仕上がっている。
¥7,560。 発売中
藤原ヒロシ(音楽プロデューサー/ファッションクリエイター)
1964年生まれ、三重県出身。
イギリスやアメリカでクラブ文化を吸収した後、日本のDJのパイオニアとしてクラブシーンで活躍。
その後も数多くのミュージシャンのプロデュースを手掛けるほか、ファッションクリエイターとしても才能を発揮。
日本のカルチャーに大きな影響を与え続けている
溝口基樹(アートディレクター)
1966年生まれ、愛知県出身。
桑沢デザイン研究所を卒業した後、2000年にmo’designを立ち上げる。
TシャツのグラフィックやCDジャケットのデザイン、広告のアートディレクションなど、グラフィックデザインで活躍している