「ニール・ヤングの1stは発売後回収され、すぐに改訂版が出し直された。本人が最初のミックスを気に入らなかったからだ。なるほど、という話であるが『初版のほうが良いと感じているファンが多く存在する』という情報もある。先頃、初版に出逢えて聴いてみた。より地味で素朴な印象。それがこの内省的なアルバムには似合っていた。混沌とした中をキラキラした結晶が降るような」

「’72年と’73年、ファンがラジカセで録ったRCの低迷期として知られる時代のライブ音源。清志郎が作っては捨てていった（多くの曲は当時レコード化されていない）心の断片のようなものが、バラバラのままある。幼い頃に亡くした母親を歌った『黄色いお月様』。後に快活なR&Rバンドとして成功しても、ずっと取れることのなかった寂しさと現実に対する嫌悪。その最初の響き」

「海辺に立つ幼いジェーンの写真が素敵。初めて全作詞を自身が手掛けたアルバム。“アウンサンスーチーさんは死んで、よく売れるTシャツの柄になるでしょう”と静かに始まる『アウンサンスーチー』という歌は、途中からアムネスティの報告書を読み上げる告発の歌となる。その声に宿る怒りと愛は強く透明だ。震災直後、急遽来日し、渋谷で歌ってくれたジェーンの優しい笑顔を思い出す」

「ピストルズの世に出なかったA&M社版・幻のシングルの市場価格は現在200万円。パンクといえども骨董品なわけです。海賊盤は海賊盤を産み、もはや始末のつかない初期衝動の大海原。有名なデビューアルバムは、パンクロックが親戚の結婚式に行くために正装したようなものだ。下手すぎて録音では演奏させてもらえなかった、シドのすべてに怒ったようなベースプレイを海賊盤で堪能すべき」

「早川さんがステージで“60歳超えたけど、気持ちは20代とまったく変わらないですからね～”と言っていた。ずっと忘れられず、ことあるごとに思い出す。本当かな？ 本当ならちょっと怖いなと思う。でもなんか楽しそう、とも。考えるといろんなことがよくわからなくなって、また僕は音楽を聴いたり歌ったりしてる。ピアノと歌だけ、息遣いや指先のタッチが全部わかるレコード」

「2012年末に聴いた『THE FALL』という曲で、すでに打ちのめされまくってたので期待しまくっていたアルバム。ホームリスニングでアルバムを聴き、MIXX BEAUTY春のアンセムとして12インチをDJプレイしまくりました 」

「針を置いた瞬間に“うわ～！ きた～！”と思ってしまった。ダンスミュージックでありながら、小さい音で部屋聴きも最高に気持ち良い。時代性があるようで実は普遍的な雰囲気だったりする」

「アルバムではなく12インチ。2013年の猛暑の中で涼しい気持ちを与えてくれ、とにかく聴きまくった曲。夏に聴くと涼しさをくれ、秋に聴くと温もりをくれる不思議な魅力がある曲。このラインはディップ･イン･ザ･プールを知ってから25年くらい好きなライン」

「原宿キットギャラリーの上の階のレコードショップビッグラブにはいつもドキドキする音楽が世界中から集まってくる。仲くんがプレゼンテーションする世界のエッジありまくる音楽、面白すぎます。ビッグラブ企画として来日公演も実現させたこのサンプスは、移動の車の中で延々聴いてました。最高です」

「キタコレ！ かねてより公言してきた日本で好きな3バンドのひとつ、YSIG（残りはフレイムスとオイスカね）が、いよいよ僕たちをどっか次のとこへ連れていってくれるようだ。2013年、カムバック・マイ・ドーターズ、フロンティア･バックヤードと、近しいバンドのアルバムが軒並み最高だったことも最後に付け加えさせてください」

「キューバ音楽をやっているアメリカ人男性SSW（シンガーソングライター）の２枚目。その美しい声を聴いていると、適温の温泉に浸かっているかのよう。来日公演も素晴らしかったです」

「最近リリースラッシュのアメリカ人天才女性SSW。前作『Blood Rushing』がホントに素晴らしかった。新作も最高です！ DJ Shhhhに教えてもらいました」

「CDショップのポップを見て、試聴して買った1枚。ピアノ、エレクトロニクス、ストリングスで構成される静かなインストアルバム。心の琴線に触れるメロディ」

「17歳でリリースしたEPから2年、待望のファーストアルバム。渋い歌声、胸を締め付けられるメロディー、サウンド」

「今年はコレでした。Voが男性だと知った時は本当に驚きました。他にも、相変わらず毎週買っている大量のテクノやハウスの12インチアナログ盤の中にも、多数の聴き倒した曲がありました」