“ミュージック・アスリート”という形容がぴったりのヒップホップ・アクト、GAGLEの5枚目のオリジナルアルバム。生きて行く上で避けることのできない傷みと向き合い、それを乗り越えようとする、力強くも温かいスピリットの表明でもあるタイトルは、レコード盤のコンディションを表す言葉でもあります。思わずニヤけるセンテンスが随所にちりばめられているのも◎。多彩なゲストとともに作り上げた殊勲の16曲は、聴く人の心と身体に至上の充足を与えてくれること確実です

‘80s初頭に、イギリス・ブリストルにて活動を開始し、’90sからN.Y.に活動拠点を移し活動を続けるDJ Natureの最新アルバムです。ブラック・カルチャーの歴史を縦横無尽にコネクトする黒い音のコラージュに圧倒されます。リリースに至るまで数年を費やした、珠玉作と呼ぶにふさわしい作品です！ ブラック・ミュージックの歴史に刻まれるべき名盤

1st アルバム以降、グループとしての活動を始め、ソロでもそれぞれ作品をリリースしてきたSICK TEAMが放つ第2作。新曲はもちろん、Roc Marciano、Khrysis,Cazal Organism、DJ Dez、Green Butter、AL B SMOOVE、16 FLIPなどによる豪華なリミックス曲も収録。親好ある面々によりSICK TEAMが持つ世界観が、新鮮で奥深いものになっています

‘90年代中盤に盛岡を拠点に活躍し、その後N.Y.へ移住したWISESENSEI。帰国後、3枚の12inchをリリースし、衝撃を与えたことは記憶に新しいですよね。待望の1stフルアルバムとなる本作は、プロデューサーにDJ Mitsu the Beats （GAGLE）、DJ Juco（FULLMEMBER）などを迎えて制作された傑作です。存在は知られながらも、謎に包まれたWISESENSEIが沈黙を破る！

本作でBrownswood Recordings所属となったマルチ・インストゥルメンタリストでもあるDiggs Dukeのデビューアルバム。さまざまな音楽から影響を受けてきた彼が作り出す音楽は、ジャズやソウルなどのジャンルを超越し、オリジナリティーに満ちあふれた未来への音楽です。180gの重量盤LPでのリリー スに感激！

今年ニューアルバムのリリースが決定しているcro-magnon。 オリジナルアルバム、カバーアルバム、ライヴ盤、コンセプトアルバム、メンバーのソロアルバム……と、多様なリリースと国内外で行ってきた怒濤のライヴを経て制作される新作は一体どのような内容になるのでしょうか？ プリプロを終えた後の笑顔を見る度に、その期待はグングン高まるのです

昨年リリースしたアルバムがとてつもない反響だったFla$hBackS。メンバーのKid Fresino、Febbに続いてついにjjjのソロアルバムがリリースされる模様です。3人ともビートとリリックのセンスがズバ抜けてるだけにソロ作品にも期待せずにはいられないですね。情報が少ない中、まずは先行でリリースする12inchとライヴで音をチェックしてほしいです

恐縮ながら弊社リリース作品！ ノルウェーの9人組シンセディスコバンドの日本デビューアルバムです。グラミーを制覇した今のDAFT PUNKのモードや、JAMIROQUAIなんかのファンクネス。そして伝統的な北欧ディスコの要素を絶妙にミックスしたサウンドで大好評です。CUT COPYなんかのファンにもオススメできる全方位対応のディスコポップです！ ゼヒ注目を！！

L.A.のハイテンションなガレージバンドの新作なのですが、とにかくかっ飛ばしてかっ飛ばしてかっ飛ばしまくる爆走感とソリッドさ炸裂のガレージロックサウンド、そこにグランジリバイバルなダーティーさもミックスされてて最高！ BLACK LIPSよりも野蛮でWAVVESやFIDLARと同等にキャッチーでTHE HIVESなんかにも通じるベタさもあり！ 個性的なルックスも注目！ 痛快！

ボストンのインディーロックバンドの2013年に出た1st『MAJOR ARCANA』に続くニューEP。ここ最近のU.S.インディーバンドの新人のキーワードにグランジってのがあるかと思うくらい、いろいろなグランジ回帰なサウンドを鳴らす新人が出て来てますが、このバンドがひとつ抜けているかと！ エッジィでキャッチーでグルーヴィで、L7とかVERUCA SALTとかを思い出しちゃいます！

昔からいろんな名義で活動しているU.S.インディーシーンのベテランで、実力を兼ね備えたイロモノって存在でしたが、THE STROKESのVo.のJULIAN運営のレーベルCULTと契約してリリースした新作で、ここにきて突き抜けた印象。薄毛の小太りおっさんがほぼ全裸（ブリーフ1枚）で、超絶男前にソウルフルなR&Bナンバーを歌い上げるというキャラに魅了される人続出！ 今こそ来日を期待！

ICEAGEの登場により世界中が虜となったコペンハーゲンシーンは、この3年一切の妥協なく独立性にこだわり、そしてどの都市も気づいていないカルチャーを生み出しているのは驚異でしかないのですが、さらなる2014年こんなニューバンドが登場するとは。ICEAGE直系のインダストリアルやハードコアなどを受け継ぎながらもチャートさえ賑わせそうな大物感は一体？

その独特な手法による映像で、今最も熟して旬といえるアーティストLUKE WYATTによる音楽家名義TORN HAWK。Factory RecordsにAriel Pinkが存在したような摩訶不思議で、なんとなくダンスミュージック、というのだから恐ろしい。しかも’80年代のハリウッド男優みたいな男前ルックスに、ボディビルダー級の筋肉モリモリの体つきというのがもうマジでわかりません

アンダーグラウンドレーベルから作品を発表していた女性フォークアーティストANGEL OLSEN。グラミー賞最優秀新人賞を獲得したBon Iverを発掘したJagjaguwarと契約しリリースされたこの作品は、今までの弾き語りとは打って変わったバンドサウンドで勝負にキテます。新しいアイコンになると思います。日本で売れないなら、先進国ではなくなると思ってください（笑）

サンローランの2013秋冬コレクションのミューズ。Hedi Slimaneが惚れた19歳の双子によるTHE GARDEN。彼らが高校時代にやっていた3人組M.H.Vのレコードを2年前にBIG LOVEでリリースしたのですが、もうひとりのメンバーだったRexも確か今、サンローランの事務所にいるって。Hediって自分の趣味を全開に仕事にして、さらに日本の音楽ライターでも知らないとこからすくってアゲてるのがスゴい

大注目新世代若手MC’s、Fla$hBackSのメンバー内でもズバ抜けたラップスキルとセンスで他を圧倒するFebbの待望のソロ・デビューアルバムです。間違いなく2014年の日本語ラップ最重要作！ 思わず耳を凝らしてしまう言葉選び、ビートセンス。聴く者をとらえて離さない独特のフロウ……。弱冠20歳にしてこの完成度、ただただ驚かされるばかり

昨年末に豪華メンツで臨んだミックステープ『BLACK WATER』が話題になっていたTina she。今年リリースした本作は、今ノリにノッている男、DJ Mustardをプロデューサーに迎えたこともあり、ヒップホップリスナーに広く認知されるようになりました。作品を出すたびに旬の人物を起用する彼女の動きに、各方面から注目が集まっています！

SoundCloudやBandcampをチェックしている人には、現行ビートメーカーの注目株としてお馴染みのTa-Ku。名作『50 Days for Dilla』に続き、昨年リリースされた本作も独自の世界観を遺憾なく発揮した良作です。そして、リリース元である新鋭レーベルHW&Wにも注目してほしいですね。今年はこのレーベルから輩出されるビートメーカーの動向から目が離せません！

すでにクラブヒットを連発しまくり、今やヒップホップに留まらず、ポップス界、R&B界にまで進出する平成生まれの超売れっ子プロデューサー・DJ Mustard。昨年はJay ZのRoc Nationとマネジメント契約・アーティスト契約を結んだことも話題になっていました。今年もヒット曲を量産することマチガイナシの彼に期待してます！

カナダの新レーベル、Multi Cultiからの第2弾。土着的なアフリカン・テイストやエキゾチックな音色、エレクトロニクスやドープな要素などが絶妙なさじ加減で融合した、個性的で中毒性の高いモダン・アフロ・ハウス作品です。Dreemsによる第1弾も良かったこのレーベル、今後も俄然楽しみになってきました！

Joe Claussellのレーベル、Sacred Rhythm Musicから2011年にリリースされていた、 Daniel Moreno&Herve Sambによるオーガニックでエスニックでフォーキーなジャズ路線の傑作アルバム『Kharit』。アルバムのラストに収録されていた楽曲を、新たに札幌の高橋クニユキ氏がリミックスした珠玉の1枚です

Manuel Göttschingを彷彿させるような、陶酔感やトリップ溢れるギター・ワークを効かせながら、12分に渡ってスローモーなクラウトロック/コズミック・チューンを展開していく『Ahura Mazda』がとにかく素晴らしい。マイナーながらもレベルの高い、イタリア発のディープなエレクトロニック・ミュージック作品です

2012年にTheo Parrishのレーベルからデビューし、自身のレーベル、Which Way Recordsからリリースした12inchも話題となっている、ガーナ出身・ロンドン在住の新進気鋭シンガーソングライターです。アーシーでブルージーなフォーキー・ソウル～ボッサ・ソウルを味わい深く聴かせてくれる、今後ますます目の離せない人物です

岡山で活動するパンク・バンド、ロンリーのベーシストである青木泰憲さん。彼の初ソロ作品です。所属バンドも男の子の部屋のあれやこれやが匂い立つようなパンク・サウンドで最高なのですが、今作はそこからは想像もできない、洒脱なアンサンブルと繊細な歌心を持った日本語ポップスで素晴らしかったです。なんかいい歌を聴きたいな〜と思っているリスナーへ、今なによりオススメします

こちらは仙台から。男性シンガーソングライター、濱田多聞さんによる2001年から最新作までの音源アーカイヴス。プリミティブな弾き語りからエレクトロニクスによるモンドなインストまで、収録された作風の幅が、さまざまな音楽活動を経験されてきた作家自身の道程と重なるよう。そして、それらに一本芯を通す人懐っこい青味が魅力的です

関西拠点で活動するウイッチ・ハウス・ユニットの1stアルバム。おどろおどろしい雰囲気に、地の底から鳴り響いいていくようなビート・プログラミングが神秘的な世界観を作り出しています。リリース元のDay Tripperレーベルは、新世代トラックメイカーの顔Seihoが主宰。大阪を中心にエレクトロニカの新しい波を国内に知らしめています。地方の胎動のひとつの象徴ではないでしょうか

弱冠20才の京都発男女デュオのデビュー・アルバム。地元ではハイハワとして親しまれています。原田くんによる青春の甘酸っぱさをチャーミングに描きたおす弾き語りと、馬渕さんの端正なピアニカ/鉄琴が折り重なった、’80sクレプスキュール作のごときリリカルなアコースティック名盤。冬の吐息のような美しさと愛おしさを醸しています

こちらは名古屋の若きハードコア・4ピースの1st 7inch。パンクの性急な疾走感とインディーポップのひねくれた愛らしさが混ざり合った、破格にフレッシュな8曲が収録されています。リリースは同郷・名古屋を拠点にナイス・リリースを続けるSummer Of Fanから。5組は順不同です。今回はすべて東京以外の地方から選びました

神戸から現れた20代前半の4人組バンドです。すでに早耳のインディーリスナーから国内ロック・シーンの大家までが絶賛と俄に話題を広げていますが、それも納得の際立ったセンス。まろやかでドリーミーなサウンド、なによりうっとりと耳を奪われてしまうメロディの堂々たる存在感がすごい。どこまで飛躍を見せるのか本当に楽しみなバンドです

最後に東京のバンドも紹介させてください。中原鉄也と三船雅也の2人組バンド。2枚の自主制作CDが高く評価される中、4月に初のフルアルバムがリリースされます。スケールの大きなサウンドと緻密なアンサンブルに、同時代のアメリカーナが引き合いに出されてきた彼らですが、最新作は本場フィラデルフィアで録音したそう。今一番早く聴きたいアルバム！