BudaMunk、ロベルト吉野、Nakiらが購入したおすすめレコード

BudaMunk、ロベルト吉野、Naki、K404、Masaya Fantasista らクリエイターが買ったおすすめレコードについて綴ってくれた。
レコードというフォーマットに惹かれ、魅せられ、こだわりをもって購入し続ける人たちが多数存在する。

i bought編集部

Calm

ARTIST_ TODD TERJE
TITLE_ STRANDBAR

ARTIST  TODD TERJE TITLE  STRANDBAR

購入場所/Lighthouse Records (東京)

購入時期 /6月頃

購入価格/1,300yenくらいだったと思います

「CDや配信でもリリースしている自分だが、いまだにデジタルの音には抵抗がある。“リスニング”として耳にする部分ではアナログもデジタルも同じかもしれないが、どうしてもデジタルは耳で止まってしまうことが多い。楽曲自体のクオリティという部分では同じだとしても、アナログは心まで響いてくることが多い。今の音楽事情ではこの“心まで響く”という、音楽が本来持っている大切な一部が欠落していることが多いのではないか? (最近ライブ会場でも増えているデジタルコンソールやデジタルアンプにしても同じ疑問を感じる)簡単に言うと音が飛んで来ない、だから音量を上げるしかないのかも。音量や音圧勝負は劇薬でしかないのだ。今回選んだ盤はアナログ盤になることを想定した制作→録音→リリース。今や避けては通れないデジタル文化だけれど、自分がアナログにこだわるのは、“心まで響く音”を重視しているから。音楽をBGMとするか、心の財産とするか、その違いだけだろう」

Calm氏

Calm 音楽クリエイター

デビューから15年以上もの間さまざまな名義を使い分け、数々の楽曲やアルバム、リミックス、ライブなどを手掛け、世界各地でもコアな人気を誇る。現在は活動の幅を広げ、DJ、プロデュース、エンジニア、ミックス、マスタリング、CM音楽、執筆活動……と多岐にわたる

 

BudaMunk

ARTIST_ Ray West
TITLE_ BERRIL LIPSTICK

ARTIST  Ray West TITLE  BERRIL LIPSTICK

購入場所/Jazzy Sport Music Shop Tokyo (東京)

購入時期 /先週 (2013年8月5日)

購入価格/1,388yen

「自分はヒップホップのビートプロデューサーなので、’70年代とかのレコードはサンプル用にずっと買っています。レコードの方がデジタルの音質より好きです。ヒップホップのレコードは、昔ならDJをするために買っていたけど、今は実際に使うっていうより、コレクター的な感じかもしれない。アナログでしか出ていない音源もあるし。今回選んだレコードは、一番最近買った“Red Apples”というレーベルの45シリーズで、いつも出るのを楽しみにしているやつ。Ray Westのビートは’90sっぽいフレーバーだけど、今っぽい新しさもすげーあって、ずっとチェックしているプロデューサーのひとり。この45でのビートは、ジャジーだけど爽やかというわけではなくて、渋いのがいい。MCに、Blu、OC、Dave Darと、このレーベルではお馴染みのAGが参加していて、MCのメンツもかなりやばい。45だけど、スキットみたいなビートも入れて片面3曲ずつ収録されていて、EPみたいな感じで聴き応えがあります」

BudaMunk氏

BudaMunk ヒップホップ・ビートプロデューサー

1996年からLAに渡り現地アンダーグラウンドシーンで活躍。2006年に帰国し、Jazzy Sportに所属。自身のBeatシリーズ「Mokstrumentals」などリリースを重ね、2011年発表のSick Team「Sick Team」、Green Butter「Get Mad Rela」で、その人気を決定的なものとする

 

79

ARTIST_ RONNIE LAWS
TITLE_ PRESSURE SENSITIVE

ARTIST  THE NORTH SEA TITLE  THE NORTH SEA TODD TERJE REMIXES

購入場所/ネット

購入時期 /最近

購入価格/1,000yen

「ジャケットに鉄のタマゴ。自分の作品だったら絶対に断ります。『鉄のタマゴは嫌です』、そうきっぱり言おうと思いました。このアナログはBLACK MOONの『Who Got Da Props』のサンプリングネタとして使われていた曲『TIDAL WAVE』のフレーズが聞きたくて、そのために購入しました。ジャケットを開けて取り出したレコードをプレーヤーにセットして、その聞きたかったフレーズの一瞬がくるまでただただ待ちます。キタ! と思ったらあっという間に終わりました。アナログを買う理由はなんでしょう。きっと酔ってるんだと思います。聞いてる自分に酔ってるんです、たぶん。もちろん他の音源との音質の違いとか、パッケージとしての形状の違いもあるかと思いますが、僕は酔体験としてアナログを選んでます。アナログで聴くべき音楽っていうのは、なんとなく鼻で嗅ぎ取る感じです。くんくん」

カジヒデキ氏

79 ラッパー

読み方はナック。現在活動休止中のヒップホップユニット“ザマギ”のMCがついにソロ活動を本格化。7月24日に1stソロアルバム「ENJOY YOUR TRIP」をリリース。幅広い層から高評価を得て話題となっている。現在9月に発表する残暑用MIXを制作中

 

ロベルト吉野

ARTIST_ King Diamond
TITLE_ Conspiracy

ARTIST  King Diamond TITLE  Conspiracy

購入場所/DISK UNION渋谷店 (東京)

購入時期 /6月

購入価格/4,200yen

「昔を振り返れば、どこの家にも親父やお袋が昔聴いてたホコリかぶったアナログレコードがありますよね。奴らは幾度の時を経てまるで年輪を重ねてきたかのように古びて家の隅に鎮座してて、DJを始めた時一番最初にそのレコードたちが自分の武器になる。高速回転、わけもわからず擦ったり、書いちゃったり割っちゃったり。その時できる限りの初期創作意欲が出てきます。赤ちゃんが初めてアンパンマンのオモチャを与えられた時のような何とも言えない顔、感情みたいな。合成樹脂から出る柔らかい音、丸い音に酔います。って俺は赤ちゃんか? って。多分人間臭いのが好きな、工作好きなんだと思います。まあ、理由なんてのは死ぬ前に本当の心理がわかるというもの。一生のテーマなので死ぬ前にまたこの企画にお誘いください。とりあえずはそれが何なのか、今はわからず。これは……『I was born for dying』me tallicaを聴くしかない。さもすればレコードたちもきっと喜んでくれるに違いない」

ロベルト吉野氏

ロベルト吉野 サイプレス上野とロベルト吉野

ターンテーブル担当。マイクロフォン担当のサイプレス上野とともに、2000年に“横浜ドリームランド”で結成。“HIP HOPミーツallグッド何か”を座右の銘に掲げ、年に120本以上のライブを行う。9月11日にベストコラボレーションアルバム「サ上とロ吉ミーツallグッドみんな」をリリース

 

Masaya Fantasista

ARTIST_ J.A. Adofo & CITY BOYS BAND
TITLE_ NYA ASEM HWE

ARTIST  J.A. Adofo &  CITY BOYS BAND TITLE  NYA ASEM HWE

購入場所/super fly (France)

購入時期 /今年の初め頃

購入価格/時価

「ボクがアナログを買い続ける一番の理由は、その音源がアナログでしか存在していないからです。もちろんデジタルとアナログの両方でリリースされていてもアナログを買いますが。音の違いは確実にありますが、どちらが良いとかではなく、ボクはアナログの音が好きなんです。最近もroots musicからtechnoまでさまざまなレコードを買っていますが、ここ数年特に好きな西アフリカの音楽を紹介します。もともとfela kutiを入り口にナイジェリアの音楽にはどっぷりハマっていましたが、良くも悪くもrebel mu sic感が強いんですよね。そんな折に西アフリカの音楽に出会ったら、そのなんとも言えないアフロ+トロピカルなgrooveの虜になってしまったのです。カリブ諸島に連れられた黒人たちがそのノリを吸収して持ち帰ったことにより生まれたサウンドと言われています。彼らはガーナではそれなりに有名なバンドでその演奏技術とJ.A.Adofoのミラクルボイスに魅了されてしまいます。尊敬すべきは彼らがいまだに現役だってこと!」

Masaya Fantasista氏

Masaya Fantasista

jazzy sport/breakthrough/physical sound sport/Tettory BLK

高円寺の中古レコード店universoundsを主宰。ブラック・ミュージックを軸とした幅広い選曲とオリジナリティーに溢れたグルーヴを生み出すDJとして支持を得ている。MIX CDのリリース、プロデュースワーク、執筆活動など、その活動は多岐に渡る

 

Naki

ARTIST_ JOHNNY OSBOURNE & MYERS ROCK
TITLE_ JAH PROMISE

ARTIST  JOHNNY OSBOURNE &  MYERS ROCK TITLE  JAH PROMISE

購入場所/DUB STORE RECORDS (東京)

購入時期 /8月3日

購入価格/1,575yen

「昨今の音楽不況の影響を受けてか、ジャマイカのプレス工場が相次いで閉鎖、レゲエ新譜のアナログリリースがぱったり止まってしまいました。その一方でドイツや日本発信で個性的なアナログ作品がリリースされているのは見逃せないです。購入したのは東海レゲエシーンを10年以上に渡って支え続けてきたバンドMYERS ROCKによる『JAH PROMISE』。ヴォーカルのJOHNNY OSBOURNEはニューヨークレゲエの先駆けで、先日はMajor Lazerにもサンプリングされて話題になったベテランアーティスト。曲自体は彼のStudio One時代の曲のセルフリメイクですが、スタワン時代の古めかしさは消えて、現代技術によるクリアなサウンドを実現! もちろん生音独特の重厚感のあるサウンドも健在です。昭和時代の歌謡曲のレコードを彷彿とさせるようなジャケットもツボで久しぶりにアナログに触手が伸びてしまいました」

Naki氏

Naki THE MARROWS 代表

東京、ニューヨークを拠点に楽曲制作、映像編集、DJ、MC、イベント企画まで、フォーマットにとらわれない多種多様なクリエイティブに関するあらゆる活動を展開する2人組、THE MARROWSの代表。さまざまなイベントにDJとして出演し、フロアをロックしまくっている

 

K404

ARTIST_ ROLLMOTTELE
TITLE_ THE OBSOLETE MAN

ARTIST  ROLLMOTTELE TITLE  THE OBSOLETE MAN

購入場所/Lighthouse Records (東京)

購入時期 /最近

購入価格/2,450yen

「プロモで聴いたのが、たしか今年の3月末くらい? でそれ以来ずっと楽しみにしていたLPがいい感じの季節にリリースしてくれました。波の音と地平線がずっと続いててその絵が永遠とループしてるみたいな、とにかく気持ちいい作品です。2002年に出たROLLMOTTLEの12inchに『Sunsat/Left Coast Calling』というのがあるんですが、当時Sputnikとか海のパーティーやDK SOUND始めたばっかりの頃DJでかけててエモーショナルでいい曲だな、なんてその時感じてたり体験したことをラベルを見ると思い出します。リリース元のSENTRALLのレーベルロゴデザインもかっこよくて好きなんですが、レコードってレーベルロゴとか色とかジャケットとか視覚でくる、覚えてるところが結構ありますね。たとえそれがホワイト盤だったとしても汚れ方や自分が書いたメモ書きが好きだったり。ちなみに最近は新譜でもLP形式が好みでよく買ってます」

K404

K404 TRAKS BOYS/(((さらうんど)))

1995年DJを始める。TRAKS BOYSとしてオリジナルアルバム2枚、その他国内外で作品を多数リリース。川崎工場地帯にて開催するINDUSTRIAL RAVE PARTY「DK SOUND」ではレジデントDJを務める。毎月第3金曜、青山トンネルにてレギュラーパーティー開催中

 

SSUGI

ARTIST_ NaS
TITLE_ Original Demo Tape- The Album

ARTIST  NaS TITLE  Original Demo Tape  The Album

購入場所/山鹿のROCKERS (熊本)

購入時期 /1ヵ月くらい前。熊本にLIVEに行った時

購入価格/たぶん800yenくらい

「このアルバムは全部いいけど、Side-Aに入ってる『Deja Vu』って曲がヤバい。CDとかダウンロードでも音楽をたくさん聴くけど今もアナログを買い続ける理由は、たぶんあのジャケの四角の大きさが好きだから。針乗せたらすぐ音が鳴るから面倒臭くなくて、巻き戻すのも途中で曲飛ばすのも自分の手次第でパッとできるし聞きたいところに乗せればその音が鳴るっていうシンプルなところも。音に直接触れる感じっていうか。聞いててスクラッチしたくなったら速攻できるし。それにYouTubeで聴いていいなと思ってた曲がたまたま行ったレコード屋に偶然あったりするとアガるんすよね。逆に中身知らないで、ジャケで買ったりすると聞く瞬間までまったくどういうのかわからないから謎にワクワクしたりするのも楽しくて。結局自分のペースとか価値観で物を探すのが好きだからそれにフィットしてると思うし、レコードって聞き方も使い方も自由すぎるからその中で面白いものを自分で見つける良さがあると思うっすね」

ISSUGI氏

ISSUGI ラッパー

東京を中心に活動するMONJU/DOWN NORTH CAMP/Sick Teamのメンバー。2009年ソロアルバム『Thursday』、2010年2ndアルバム『The JointLP』をリリース。今年リリースされた3rdアルバム『EARR』はすべて16FLIPによるトラックの意欲作で研ぎ澄まされた音楽性を感じさせる

 

※2013年09月発行『i bought VOL.03』に掲載された記事です。

※価格・販売状況は掲載当時のものになります。

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あえて今の時代に“レコード”にこだわるそれぞれの理由 クリエイターの“アナログ”を買い続けるということ PART02

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