CLASSデザイナー堀切道之を刺激するモノたち。
CLASSデザイナー堀切道之を刺激するモノとは何か。デザイナーにとって、デザインの根源となるものは僕らが思うほど突飛なものではないかもしれない。古着のミリタリーシャツやルイ・ヴィトンのペンケース&定規など堀切道之を刺激するモノ7選を紹介してもらった。
目次
自分のパーソナルに正直に「洋服好きな素人」でいたい
CLASS(クラス)デザイナー堀切道之
「本屋を巡ったり、ネットサーフしている時に目に止まったものなんかが、コレクションのテーマになったりすることが多いです。今年の秋冬は「間」をテーマとしたんですけど、建築家の藤本(壮介)さんの本を見たのが最初だったかな? ただそこから「間」について掘り下げて行って、作曲家の武満徹さんが描く音の余韻や余白「間」にたどり着いたりしたんですよね。インディペンデントで自分のパーソナルに正直にいたいので、表現しやすいカルチャー方面の方から影響を受けることはあえて自分の中で排除してるところもあります。そして誰もやらなかったこと、例えば「この布にこの縫い方はない」というような昔から定型とされていることを、あえて合わせてみたりしたいんですよね。だからずっと洋服好きな素人でいたいというか、僕はクリエイターではないんで、既存であるものを編集している感覚で洋服作りもやってるんだと思います」。
01_古着のミリタリーシャツ
軍物がすごく好きで。国のお金をかけて作っているものだからすごく合理的で簡素化された部分とかもあって。今回はプレス線が入ったシャツをこのシャツの折ジワからヒントを得たんですよ。
02_本「武満徹の世界」
武満さんは人がやらなかったこと、非拍節リズムをオーケストラに取り入れたりしてて。それが“間”の世界なんですよね。あと琵琶と尺八を合わせたことをやった人がそれまではいなかったんですよね。そんな誰もやらなかったことをやる姿勢に惹かれたりしますね。
03_本「藤本壮介 原初的な未来」&本「間」&本「磯崎新Interviews」
磯崎さんはやはり“間”を含めたとりまとめがすごいというか。藤本さんは「絶対時間をはずすことで自由になれる」とか、「建築のスタートは洞窟じゃないか」という考えとかが、普通思いつかないけど人間的でいられるための理由としては納得できるんですよね。建築じゃない部分の興味の方が大きい方です。
04_ルイ・ヴィトンのペンケース&定規
古いルイ・ヴィトンのくだらない小物とか好きなんですけど、すべてリサイクルショップとかで買って、昔スケートボードやってたんで、ステッカーでカスタムしたりします。
05_写真集「Looking at Fashion」&本「SKIN+BONES」
ずっと好きな本というよりも、たまにパラッと見た時に引っかかるものを発見してしまうというか。なので、いつもデスクに置いてある2冊ですね。
06_写真集「日本の民家 一九五五年」
二川さんはもともと建築家で、自身で撮られた民家の写真で1冊ができてます。写真もグラフィカルな構図なんですよね。日本で最初の建築本とも言われてます。
07_本「OH L’AMOUR!」&本「ecence」
これらは今回のコレクションのためではなく普段から見てる本で好きな2冊です。雑誌のプロではない、スタイリストとかコーディネーターとかが作ってる本で、ちょっと雑誌を外から見ている方が作っているような感覚が面白くて
※2015年06月発行『i bought VOL.10』に掲載された記事です。
※価格・販売状況は掲載当時のものになります。