スチャダラパーANI『ごっつええ感じ』について。インタビュー
常にユーモアをブレンドしたクリエイションでファンを魅了するスチャダラパーANI(アニ)が、あの伝説のバラエティー番組ダウンタウンの『ごっつええ感じ』DVDについて綴ってくれた。
若き日に感化されまくったという、スチャダラパーANIの思いとは。
目次
スチャダラパーANI(ア二)
PROFILE.
Bose、SHINCOとともに、3人からなるラップグループ・スチャダラパーのメンバー。1990年にデビューし、以来ヒップホップ最前線にいながら、さまざまなミュージシャンとのコラボレーションの展開から、文化人との交流までとその活動は多岐に渡り、多種多様な層から支持を得る。2010年にはデビュー20周年を迎えた。今年の夏も多数のフェスやイベントに出演。詳しくはスチャダラパーオフィシャルサイトhttp://www.schadaraparr.netで
『THE VERY BEST ON AIR of ごっつええ感じ』 (1991-92・93・94)
購入場所_Amazon
購入価格_各¥7,836
購入時期_2014年5月
スチャダラパーANI
くだらないことを すごく真剣にやる姿勢を パッケージした 『ごっつええ感じ』 DVD BOXについて
『THE VERY BEST ON AIR of ダウンタウンのごっつええ感じ』のDVD BOXを観てたら、なんだか’90年代にタイムスリップしたような感覚が。
というのも今回のDVD BOX、当時オンエアーされてたように構成されてて、コントだけでなくオープニングからロケやスタジオのコーナーなんかも入ってるからで、なんか、昔に録ったビデオが出てきた感スゴイ。
当時毎週ビデオに録画してたんです。
その頃の日曜日は8時から「ごっつ」でその後「ガキの使い」もやってて(関東地方)VHSの120分テープにちょうどひと月分録れたんですよ。
だからだいたい毎週録ってたんで、どんどんダウンタウン・年・月と書かれたVHSのテープが溜まっていったんだけど、引っ越しとかの時に捨てたり、人にあげたりしたんで手元にはもうない。と言いたいところですが、1本だけ残してある。ああ貧乏性。
あの頃は「ごっつ」は作り込んだコント、「ガキの使い」はフリートーク、てな感じでどちらも大好きで絶対に見逃せない番組でしたよ。
今みたいに見逃してもどこかにあるとかはない時代ですから、見逃したり、録り忘れたりした時のショックたるや計り知れないです。
その当時自分の中でのダウンタウンが占める割合といったら相当デカかったですから。
おおまかにいうと、HIPHOP・ゲーム・ダウンタウンというくらいだったんじゃないかな、大げさな話じゃなくて。
よく当時溜まり場だったボーズの家に集まってみんなでダウンタウンのビデオを観て大笑いしてたなぁなんてこと思い出したりして。
で、今回改めて見返してみるとやっぱり面白い。
今の若い人とかは大御所になったダウンタウンしか知らなかったりするかもしれないけど、お笑い界を制覇する前のダウンタウンの貴重な記録としても楽しめると思います。
まだ2人でロケしてたり、2人でやるコントとかが多かったりして、って当時は当たり前といえば当たり前なんだけど、今しか知らない人が見たら結構衝撃的かもな……なんて思ったり。
松ちゃん(松本さんと書いたり、呼び捨てにするのもあれなんで、愛称で書かせてもらいます。なので、浜田さんは浜ちゃんとさせていただきます)も坊主頭じゃないし、浜ちゃんも今より全然凶暴な感じがして、ローカルスターから全国区になる途中のギラギラ感がハンパないです。
もちろんいい意味で。
あと見てて思ったのは浜ちゃんメガホン似合いすぎでしょ。
いかりや(長介)以来のメガホン持ってあんだけサマになる人も珍しいし、ちゃんと使いこなしてるし。
その後、お笑い界にメガホンキャラが出てこなかったので、最後のメガホンキャラなんじゃないでしょうか。
それと売れなくなった漫才師が売れてる若手を諭すみたいなコントが意外に多くて、例えば、ダンゴムシとかカレーライス師匠とかのやつ。
あのタイプのコント結構好きなんだけど、あれって古いレコード使って新しいもの作るHIPHOPっぽいなぁとか思ったり、まぁ無理矢理ですけど、なんていうのサンプリング的な手法でしょ、今で言う。
あとは「おかんとマー君」とかのシリーズになっていくやつで、ちょっとずつ話が進んでるみたいなのも好きなんです。
マー君がちょっとグレたりしてるのとか、シンガーソングライター板尾のアイドルこうじがちょっとずつおかしくなっていったりするのとか、兄貴の浜田建設がどんどん金持ちになっていったりするの特に説明はないけど、本筋じゃないところの話がチョットずつ進行してる感じとかはやっぱり好きですね。
見返してみるとコントとかそんなにキッチリしてないでラフな感じがするのも好きなトコロです。
くだらないことをすごく真剣にやってることに若き日の我々はとても影響受けたような気がします。
日曜の夜8時にこんだけメチャクチャやってんだから負けずにもっとメチャクチャしてもいいでしょ。と、勝手に思い込んでやっていたような気がします。
またつづきが出るみたいなんでそっちも楽しみです。
今回のにはゴレンジャイとかは入ってなかったので、次回ってことですよ。
※2014年06月発行『i bought VOL.06』に掲載された記事です。
※価格・販売状況は掲載当時のものになります。