toeギタリスト山㟢廣和が思う映画作品『シティ・スリッカーズ』

toeのギタリスト山㟢廣和が最近購入した、レンタルではなく購入して持っておきたい作品『シティ・スリッカーズ』への思いを綴る。山㟢廣和が好きだというビリー・クリスタルとメグ・ライアンを入り口に語って頂いた。

i bought編集部

目次

山㟢廣和(toe・Metronome Inc)

山㟢廣和(toe・Metronome Inc)

 

PROFILE.

 

2000年結成のポストロックバンド・toeのギタリスト。自らのレーベル・Machu Pichu INDUSTRIASも運営し、これまでに2枚のフルアルバムをリリース。その音楽性は国内はもちろん、国外でも高く評価され、海外でのライブにも招聘される。昨年ヨーロッパを回ったツアーの様子が収められたDVD「8 days dvd -toe EU tour 2012- 」がリリースされたばかり。数々のショップの内装を手掛けることでも知られるMetronome Inc.の代表でもある

 

映画『シティ・スリッカーズ』(City Slickers)について

『シティ・スリッカーズ』

 

購入場所_amazon 購入価格_¥1,159
購入時期_2月

 

ぼかぁ、恋愛ものの映画が好きだ。シリアス(尻ASS)なものもいいがやっぱり、ちょっとだけウルっとくるハートフルなロマンティック・ラブコメディが好物だ。その中でも、アタマひとつ飛び抜けて好きな映画が「When Harry Met Sally…」そう、「恋人たちの予感」なのです。

 

ビリー・クリスタルとメグ・ライアンの2人が画面出てくるだけで、もう反射的にワクワクしちゃうみたいな、俺が犬だったらシッポ振りすぎて根元切れそうになって血出るぐらい好きなわけですよ。で、これね。編集長のマッツから「今、欲しいDVDを買って、それについての感想を」っていうお話いただきましてね、うーん……なんてイッチョマエに悩んだりしてね。で、「あ、俺『恋人たちの予感』大好きだわ!」って思ったけど、すでにDVD持ってるっていうね……。

 

で、また悩みましたよさらに。イッチョマエに。で、深く深く再考試みたところ……俺、本当に「ビリー・クリスタルとメグ・ライアンの2人」が好きなのか? みたいなとこにぶち当たりまして。実は「ビリー・クリスタルと、彼と仲が良さげな誰かとの絡み」が好きなだけなのでは……? みたいな考えが若干浮上。恋する自分に恋しているみたいな状態? よくわからんけど……。そんなことありつつで、その辺の検証も兼ねて今回は『シティ・スリッカーズ』(1991年)を買って観てみる。ということに!(やっと本題)。

 

ちなみに公開当時、映画館では観ていませんがレンタルビデオ屋っ子だったため、ビデオ販売時頃に1回観ております。内容はおぼろげ、だけど結構面白かった印象だけはなんとなく残っている程度。

 

あらすじは……(以下Wiki参照……)ミッチ、フィル、エドの親友3人は、38歳。それぞれが仕事と家庭を持ち、長い付き合いを続けているものの、少しずつ「若さ」を 失いつつある自分に、そして今ひとつうまく行かない生活に、言い様のない焦りや諦めを感じるようになってきていた。 そんな折、ミッチの39歳の誕生祝いに、フィルとエドはコロラドで企画されている「牛追いツアー」への参加を提案する。最初は渋っていたミッチも、「行って、もう一度笑顔を見つけてきて」という妻の言葉に背中を押され、3人で旅立った……(略)。って感じなんだけどさ。改めて観てみて…まず、あれね主人公のミッチ(ビリー・クリスタル)、フィル(ダニエル・スターン)、エド(ブルーノ・カービー)の親友3人組が38歳ってとこに驚愕……今の俺と同じ年なのね……。

 

’91年ってーと、俺17歳だからな……。すごいおじさんに見えたけどな、ビリー・クリスタル……俺も17歳の人から見たらおじさんなんだよなぁ…としみじみ実感。30代後半、このぐらいの年代特有の悩み。というかなんつうか、不安なのかな。ポイント・オブ・ノーリターン的をすでに過ぎちゃった的な。漠然とした不安って万国共通なのかな。ま、それも思い込みっつーか気の持ちようではあると思うんだけど……。

 

で、そういったメンタル面で切羽詰まってるのはミッチ。嫁さんの実家のスーパーマーケットの店長やってて、鬼のような嫁にいびられながら暮らしているある日、レジ係の女の子をはらませちゃったのがバレて離婚っていう、ある意味フィジカルに切羽詰まってるのがフィル。そして、若い下着モデルのお姉ちゃんをステディにしながら独身貴族。一見、何不自由なく悩みもなさそうなエド(これも後半の彼の独白を際立たせるための伏線的意味合いもあるんだよね……)。

 

その三者三様の悩みを持ったオジさんたちが大自然の旅の中で過ごす毎日で悩みを克服/悟って、ひと回りズル剥けて帰ってくるってお話なんだけど。途中途中で、差し込まれる会話の感じがいいんだよなぁ……。アイスの味勝負のクダリとかも好きなんだけど、やっぱり「ゴッドファーザー2」で若き日のビト・コルリオーネに盗みを教えるクレメンザ役っつー凄いアーカイブお持ちのブルーノ・カービーとビリー・クリスタルのやり取りとか最高。最高。なんだろう……。すっごいニヤニヤしちゃうんだよねぇ……。

 

…………ってか、このコンビ「恋人たちの予感」のハリーとジェスじゃん! もーー性格も一緒じゃん! 多分、この2人普段もこんな感じじゃん! ヒゲがポンセみたいじゃん!

結局、俺が好きなのは「ビリー・クリスタルと彼と仲が良さげな誰かとの絡み」なのかもしれん……。いや、というかあれかな、おじさん同士の友情ありきのじゃれ合いみたいな感じ(?)が好きなのか? ジョン・キューザックとジェレミー・ピヴェンのコンビも好きだしな……。うんうん。そういうことかもしれん……納得。

 

物語の後半、カリスマ的老カウボーイのカーリーがミッチに「人生をうまく生きる秘訣を知ってるか?」と聞く。教えて欲しいというミッチに対して、カーリーは人差し指1本を立てて云う「ONE THINGだ」。そう、自分が最も大切だと思うもの「ひとつだけ」がみつかれば人生素晴らしいじゃないか。ってこと。ミッチは旅の終わりでこの「ひとつだけ」を見つけた、というか気づいた。さぁさぁ。ミッチと同じ歳。俺の「ひとつだけ」は果たしてどれなんだろう。今のところまだ決まっていない気もするし、すでに気づいている気もするし。

 

 

※2013年03月発行『i bought VOL.01』に掲載された記事です。

※価格・販売状況は掲載当時のものになります。

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