BOUNTY HUNTERのTAKA、栗原道彦、赤司竜彦ら8人のコレクションとは
己の感性を武器に生きるクリエイターBOUNTY HUNTERのTAKA、栗原道彦、MEDICOM TOY代表取締役社長赤司竜彦ら8人の自慢のコレクションをインタビューとともに紹介。メガネ、Tシャツ、TOY、U.S ネイビーの古着など必見。
目次
グラフィックデザイナー、ニイマコトのコレクション
MERCHANDISE T-SHIRT(Tシャツ)
MERCHANDISE T-SHIRT(Tシャツ)コレクション歴_25年
MERCHANDISE T-SHIRT(Tシャツ)コレクション総数_約1,000枚以上
「ジャンルレスに収集していて、主にパンクやインディーもののマーチャンダイズです。同じデザインで何枚も集めるのも好きなので、持ってる持ってない関係なしに集めています」。
同じサイズに畳まれた約1,000枚のTシャツ、そのキッカケとなったのが高校の時に買ったNed’s Atomic Dustbinだ。
「ネッズは何種類もデザインがあったり、プリント位置やプリント方法がスケートブランドっぽかったりして音楽を含め好きでした。本格的に集め出したのは、初期eBayからです。格安でした(笑)。最近は高騰ですね……」。
そうは言いつつ、しっかりレアものも多数捕獲済み。
「サイズ等も関係ないです。レコードや古書、洋服と同様に、出会った瞬間に買わないと後悔しちゃうの で……。その後に探しても見つけられないなんてザラだし」。
また、着ることで主張するTシャツはコミュニケーションツールでもあるとか。
「Tシャツをきっかけに話すようになったり、取っつきやすいツールかなと思います。人と人を繋ぐモノでもあると同時に、個人的には音楽とグラフィック、音楽とファッションが結びつくキッカケでもあるかなと。アーカイヴとして形にできたら良いなと思っています」。
うず高く積まれたTシャツの山こそが現在のニイマコトへと繋がるルーツなのだ。
ニイマコトのBest Tシャツ:AXEGRINDERR(アクスグラインダー)
「彼らのダークでグルーミーな雰囲気とジェフ・ウォーカーのアートワークも際立ってて最高。デッドストックだったのが何回か洗濯したら、自然とクラスティーな風合いに(笑)」
ニイマコト (グラフィックデザイナー) |
BOUNTY HUNTER デザイナーTAKAのコレクション
CHEAP TOY
CHEAP TOYコレクション歴_約10年
CHEAP TOYコレクション総数_約1,000体以上
欧米では“CHEAP TOY”と呼ばれている駄玩具やお菓子のオマケをコレクションしているTAKA。ソフビ怪獣好きとしても知られるが、最近は専らコチラを探しているそう。
「もともと、小さいオモチャが好きだったのと、身体に悪そうなカラーリング。あと、このチープでユルい造形がイイんですよね……なんていうか円空の仏像にも通じる“侘び寂び”的な?」。
国内でも有名コレクターのライバルは数人しかいないそうで、他のジャンルに比べると、まだまだ発見の余地があるのも魅力なのだとか。
「駄玩具研究サイトをやっているハンパない人がいて、それは参考にしています。今だって、フリマや骨董市なんかを掘っていると、『何だコレ!?』っていうのが出てくるんで楽しいですね」。
とはいえ、もともとは一般的に価値がないようなジャンルゆえ、時に買ったあとから後悔することも多々。
「なんでコレに、こんなにお金を使ったんだろ!? って時はありますよ。10万円とか使った日には……(笑)」。
それでも買ってしまうのは、まだ見ぬモノを、他の人が持っていないモノを求めて止まない“オモチャ好き”の宿命に違いない。
「奥さんに文句を言われないか? 全然ないですね、そもそもいくらで買ったのか、値段自体知らないですけどね」
BOUNTY HUNTER デザイナーTAKAのBest CHEAP TOY:ウルトラマン
「シスコから発売されていたウルトラマンガムのオマケで、ユルすぎる作為のない造形が何ともいえず好きです。顔の中心にパーティングラインがきちゃってるし」
TAKA (BOUNTY HUNTER デザイナー) |
MEDICOM TOY 代表取締役社長、赤司竜彦のコレクション
SOFT VINYL TOY
SOFT VINYL TOYコレクション歴_約10年(本腰を入れ始めてから)
SOFT VINYL TOYコレクション総数_約1,000体以上
「MEDICOM TOY」の代表を務める赤司竜彦のソフビ怪獣コレクションとなれば、お宝級の逸品!? と思ったら意外にも、ここ2〜3年でリリースされたモノを中心に披露。
「アンティークのソフビに関してはネイバーのタキシンさんがいらっしゃいますので私の出る幕ではないですよ(笑)。それに最近のソフビ業界は、デザインフェスタに出展したり、ある日突然、フェイスブックから口コミで広がるなど、新たな表現形態としても面白くなってきていますから」。
となれば気になる入手方法だが作家から直接買うことが多いらしく、その数は増殖中。
「『新しいのが出るけど欲しい?』って連絡がくるんですよ。年末にディスプレイする商品を選別して倉庫へ1年分を段ボール詰めして送るんですが、毎年20箱にはなっちゃいます。そうしないと僕の部屋から溢れちゃうんです(笑)」。
赤司竜彦にとってこのコレクションはどのような存在なのか?
「子どもの頃から好きだったから、今でも定点観測的に見ていなければならない使命感みたいなものですかね。面白い才能も多く、今後もドンドン若い子たちには参入してもらい、彼らの熱量を感じていたいですね」。
そう楽し気に話す赤司竜彦の瞳には、ソフビに秘められた新たな可能性が見えているのだろう。
MEDICOM TOY 代表取締役社長、赤司竜彦のBest SOFT VINYL TOY:ナメゴン (マルサン1期復刻版)
「弊社の商品なのですが、円谷プロ50周年記念企画として、1960年代にマルサンより発売されたナメゴンを、当時の技法を再現&できるかぎり忠実に復刻しました」
Button Works 代表、小菅淳美のコレクション
VINTAGE BUTTON
VINTAGE BUTTONコレクション歴_6年
VINTAGE BUTTONコレクション総数_約10,000個以上
「コレクションっていっても、自分にとってはブランドさんにお見せするための、あくまで“アーカイブ”。仕事に直結したモノとしてしか見ていないね」。
小菅淳美がそう語るように、さまざまな意匠のヴィンテージボタンがギッシリ詰まったビンが並ぶのは、事務所の打ち合わせスペース。
「当時でも会社は数千、数万ってあって、僕が知らないブランドもたくさんあるワケ。最初は有名ブランドで分けて収納していたけど、今はもうゴチャゴチャだね(笑)」。
そんなコレクションの数々の中でも、市場で人気なのはチェンジボタン。また、プレミア価格で取引されているのがCarharttなのだそう。
「基本的に直接お店で買うってことはないかな。例えば海外で街中にあるアンティークショップに行ったとしても売っていないし、カリフォルニアに住む友人に探して送ってもらう方が楽。いろいろとゴチャ混ぜになった中に1個だけイイのがあったりするのが狙い目なんだよ」。
海外オークションで落札したお気に入りだが、一番うれしいのはやはり届いた瞬間。
「『このボタンって、こんなにデカイんだなぁ』とか、いろんな角度から見たり触ったり、磁石に付けて試したりしている。当時の職人の仕事って、いくら見ていても飽きないんだよね」
Button Works 代表、小菅淳美のBest VINTAGE BUTTON:BOSTON RAILROAD
「1900年代初頭かな。スライドカバーボタンって呼ばれてるんだけど、これをもらったのが、ボタンを集め始めるキッカケだったから、一番思い出深くもあるかな」
フリーバイヤー栗原道彦のコレクション
COLLEGE GOODS
COLLEGE GOODSコレクション歴_4年
COLLEGE GOODSコレクション総数_100点以上
「もともと、カレッジもののスウェットやTシャツは10代の時から買っていたんだけど、ガッツリ集め始めたのはロストヒルズを辞めてから」。
さすが、バイヤーだけあってコレクションは多岐に渡っており、特にゴミ箱やメガホン、レコードボックスはレアな珍品。
「当時は学生向けとして売っていたものだから、あくまでも若者にニーズがある商品を作っていたんだと思われます。フットボールなんて、あればあるだけ欲しい!」。
こうして並べると色鮮やかでポップな配色が魅力とも気づかされる。
「オモチャ的感覚なのかな。あと、自分の学歴が低いからその反動かもしれない(笑)。まぁ、歴史が好きだったりするしね。年代によってディティー ルが違うとかも、古着好きにはたまらない理由かな」
フリーバイヤー栗原道彦のBest COLLEGE GOODS:BULL DOG FIGURE
「イエール大学のマスコットで陶器製のブルドッグは、友達の結婚式で行ったハワイのフリマにて購入。’50s〜’60sかな。全部売ることになってもコレだけはキープ」
栗原道彦 (フリーバイヤー) |
blincプレス矢澤直人のコレクション
メガネ
メガネコレクション歴_8年
メガネコレクション総数_約40本
高校時代に初めてメガネを手に取った矢澤直人。その後、大学→就職を経て、少しずつ数が増えてきたという。
「今の店に勤め始めてから6年になりますが、頻繁にかけているのが10本くらい。実家には骨董屋で集めたボロボロのモノなどを含めて40本くらいありますね」。
もちろん仕事柄、流行もチェックするが本人の好みはいたってクラシカル。
「クラシックなモノに自然と目がいっちゃいます。アンティークのメガネも集めたいですね」。
ゆえに音楽やカルチャーもメガネ選びに必須の要素だと言う。
「デザインの奥にあるストーリーに惹かれて買うことが多いんですよ。カルチャーを感じさせる存在と、それをかけることで、そのカルチャーに入れた感じがする。まぁ、自己満ですけど(笑)」
blincプレス矢澤直人のBestメガネ:EMMANUELLE KHANH
「モデル名は1980。’80sにN.Y.の黒人たちがかけていたらしく、そういったカルチャー的側面とクラシカルなシルエット&発色の良いブルーが気に入っていますね」
THUNDERBOX ディレクター森田ツヨシのコレクション
GAMEBOY GOODS(ゲームボーイ)
GAMEBOY GOODSコレクション歴_3年
GAMEBOY GOODSコレクション総数_約40点
1980年生まれでもともと、ゲームボーイ世代の森田ツヨシ。たまたま中野ブロードウェイで見かけたのがキッカケで収集スタート。
「マイブームがきたら集める癖があって、今回がたまたまゲームボーイだったっていう。一気にハマってコレクションのテーマにもしちゃいました。当時のノスタルジー的な部分もあるけど、1周してこの武骨さがカッコ良くないですか?」。
曰くゲームで周辺機器が最も多いのがゲームボーイなのだそう。
「日本で発売している周辺機器はほとんど入手済みです。あとは海外限定のハンディボーイとブースターボーイが揃えば、コンプリートかな」。
ずっと探していたこの2つが、最近eBayに出品されているのが発見されたそうで、コレクションの完成=クリアも間近!?
THUNDERBOX ディレクター森田ツヨシのBest GAMEBOY GOODS:FULL ARMOR BOY
「ゲームボーイブロスのスケルトンカラーに、サウンドボーイとライトボーイを装着。これぞ“フルアーマーボーイ”と呼ばれる究極体。総額¥10,000くらいかな」
halleluディレクター加瀬善隆のコレクション
U.S NAVY GOODS
U.S NAVY GOODSコレクション歴_約20年以上
U.S NAVY GOODSコレクション総数_約60以上
「ユーズド市場でもU.S ネイビーはドンドン出なくなってきていますね」
と語る加瀬善隆のコレクション歴は、古着に目覚めた中学時代に遡る。
「でも、本格的に収集し出したのは、上京してアパレルで勤め始めてからですね」。
さまざまなアイテムと時代ごとに異なるディティールも魅力だが、そこはあまりこだわらないそう。
「’40sのN-1ジャケットなんかも好きだけど、ワイルドシングスとかの今モノも好き。年代は問わずただ面白ければイイ!」
というワケで、つい食指が動いてしまうのがステンシルもの。
「この中では、デッキクルー用カットソーが気に入っています。あと、王道のN-1ジャケットなどわかりやすいのはすでに高騰してしまっているので、値段も安い変わり種を今後は狙っていきます」
halleluディレクター加瀬善隆のBest U.S NAVY GOODS:SOUTAIN COLLAR COAT
「’80sのステンカラーコートは、式典用のデッドストック。去年からロングコートを探していたんですが、これなら身体が小さい僕にもマッチ。ウチの店にて購入」
加瀬善隆 (hallelu ディレクター) |
※2014年03月発行『i bought VOL.05』に掲載された記事です。
※今号に掲載されている商品の価格は全て税抜き価格となっております。(以前購入した私物を除く)
※販売状況は掲載当時のものになります。