NEON SIGNデザイナー林飛鳥を刺激するモノたち。
NEON SIGN(ネオンサイン)デザイナー林飛鳥を刺激するモノとは何か。エルメスのスカーフや白い布など、林飛鳥のデザインのソースともなる、お気に入りのものたち7点を紹介してもらった。
目次
好きなものの要素と布の性質を組み合わせる
NEON SIGN(ネオンサイン)デザイナー林飛鳥
林飛鳥 |
「古着のリメイクからブランドをスタートさせたということもあって、古着に合うものを常に考えて洋服を作ってます。コンセプトに「布芸の追求」というのがあって、アイテムによって布の活かし方はさまざまですが、布を持ち上げた時に出るドレープからイメージすることもあれば、切ったり貼ったり取り替えたり、男の子のプラモデルのような作り方をすることもあります。いつもシーズンが始まる前に、自分の好きなものをひとつの箱にすべて入れるような感覚で、いろんな要素を集めるというか。洋服だけに限らずいろんなことを。それが満タンになったら、布と相談しながら集めた要素とドッキングさせて行くような作業を行ってます。その箱に入れる要素というのが今回紹介させていただいたモノや古着とか、イメージするモデルの写真だったり、そのモデルの顔を見ながらデザイン画は描いたりするんで、そういったものがソースになってますね」。
01_ヴィンテージのストール
アフリカのブルキナファソという藍染めの生地です。家のカーテンとして買ったものもあるんですけど、これは色落ちもいいんでストールとして使ってます。細い幅の織機で作られた感じが面白くて、参考資料にしたくて買いました。
02_ヴィンテージの前掛け
ワークウェアの前掛けに裁縫道具や筆記用具なんかを入れて事務所ではいつも着けてます。これを着けると作業をするスイッチが入るというか。
03_エルメスのスカーフ
自分のブランドでもバンダナを作ってるんですけど、最高級とされているものの横に自分が作ったものを並べて見て、アイテムの良し悪しを比較したりするんですよね。デザインに行き詰まった時に自分が良しとしているものと比べることで何を作りたかったか見つめ直す方法のひとつとして側に置いてました。
04_ブラウンの計算機
前々シーズンにディーター・ラムスをテーマとしたコレクションをやったことがあって。この電卓は復刻なんですけど、削ぎ落とした美学とは何かをデスクに置いて眺めてました。ディーター・ラムスデザインのものは他にはスピーカーを持ってます。
05_エルメスの小物入れ
エルメスのアールデコの幾何学模様のシリーズで、15種類くらいあるものを集めてて。こういった模様が布の曲線美につながってたりして好きなんですよね。集中したい時に甘いものが食べたくなるんで、事務所でチョコレートやキャラメル入れて使ってます。
06_リメイクデニム
16歳くらいからずっとリペアしながら履き続けてるデニムです。ブランドの軸になっている思い入れのある1本ですね。
07_白い布
良い写真で見るような偶然できているかのように見えるシワやドレープは必然なんです。つまんだ場所ひとつで変わる布のシワをコントロールしながら立体的に服を作り出す時に個々の生地のシワやドレープを確かめながら使っています。衣とは布の塊なので、布と友達になるみたいな感覚でいつも見てます
※2015年06月発行『i bought VOL.10』に掲載された記事です。
※価格・販売状況は掲載当時のものになります。