クリエイター長友啓典らの手帳。エルメス、モレスキン、IDEA、ルイ・ヴィトンなど。
クリエイター、長友啓典、菊池仁志、大谷有紀、タケイグッドマン、窪川勝哉、今野真一の手帳をご紹介。HERMÈS(エルメス)、MOLESKIN(モレスキン)、IDEA、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)など。スマホやPCでスケジュール管理や簡単なメモができる便利な時代になったとは言え、手帳はまだまだ仕事の必須アイテム。スピードや自由度では手書きに分がある。手で書かないと生まれてこないアイディアもある。そんな手帳に、デキる人たちはやっぱりこだわっている。
目次
長友啓典:KEISUKE NAGATOMO
BRAND_ HERMÈS
「このサイズのエルメスの手帳をもう40年近く使い続けています。
3色あって、気分によって色を変えます。名刺やカードもまとめて収納し、ポケットに突っ込んで持ち歩いています。
コンパクトで便利なのですが、大事なものが詰まっているから落とすと大変。
実際、何度かなくしたことがあるのですが、いつも不思議と手元に戻ってきます。
表にスタッズを打ってくれたのは、ウルフズヘッドの幹田くん。
5年ほど前にやってくれるというので、デザインもすべてお任せしたら、こんなにカッコよく仕上がってきた。ますます愛着が湧いてきましたね」。
手にすっぽり収まるコンパクトサイズ。付属のペンも書き味抜群。
3ヶ月に一度リフィルを交換して使う。
幹田氏が施したスタッズワークも、使い込んで味わいを増してきた
長友啓典(グラフィックデザイナー)
1939年、大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業後、日本デザインセンター入社。1969年にイラストレーター黒田征太郎とデザイン事務所「K2」設立。出版、広告等のアートディレクションを手掛けるほか、小説の挿絵やエッセイ連載など多方面で活躍中
菊池仁志:HITOSHI KIKUCHI
BRAND_ HERMÈS
「大好きなピッグスキンを使ったエルメスの手帳、釣りや旅にも散々持っていきましたがとにかくタフ。
20代の頃からずっと愛用しています。
旅先ではメモ帳として使うのですが、ぼくは絵を描いて記録する。
時間をかけて絵を描くと当時の音や味や匂いもそこに閉じ込められて、記憶がありありと甦ってくるんです。
また絵を描いているといろんな人に話しかけられるので、コミュニケーションツールにもなります。色をつけるのに使っているウインザー&ニュートンのフィールドボックスもコンパクトに持ち運べて便利。長年の愛用品です」。
ピッグスキンの手帳は愛用のリフィルが製造中止になってしまったため、旅先ではMOLESKINを使用。
絵を描くページも無地ではなく日付などが入っている方が雰囲気が出る
菊池仁志(文筆家/イラストレーター)
1946年生まれ、東京都出身。文筆家・日本ダッチ・オーヴン協会会長。広告代理店勤務の後、文筆家として活躍し、現在はピエトロの名前でイラストを発表。日本にダッチ・オーヴン料理を広めた第一人者でもある
大谷有紀:YUKI OTANI
BRAND_ MOLESKIN
「モレスキンはずっと大きいサイズの使っていたのですが、ネットで買う時にサイズを間違えて小さいのを買ってしまいました。
持ち運びは便利なので、試しに1年使ってみます。
スヌーピーは別に好きだからじゃなく、縁起担ぎのため。
去年もスヌーピー柄を使っていて悪いことが起きなかったので。
やっぱり手帳に書くといろいろなアイデアが湧いてきます。
歴代の手帳は全部とってあり、気になったページは新しいのに移植しながら使っています」。
大きい方がずっと使っていたサイズのMOLESKIN。
シールは甥っ子が貼ったもの。
普段は三菱のボールペンを愛用。
声が出て目が光る猫のペンは場を和ませるための小道具
大谷有紀(デザイナー)
東京藝術大学でデザインを学ぶ。在学中よりデザインユニット「2e」として活動。2010年から自身のブランド「Ki Noe」をスタート。現在、資生堂宣伝・デザイン部に在籍中。4月7〜19日までユトレヒトにて詩人・菅原敏との展覧会「嘘ついて星ふえる」を開催予定
タケイグッドマン:TAKEI GOODMAN
BRAND_IDEA
「ぼくはポストイットにメモを取ることことが多いんです。
机の上や手帳、PCなどいろんなところに束で貼っておいて、予定やアイディアをすぐにメモする。
それを後で手帳に貼り直して情報を整理します。
その点、イデアのノートはシンプルで薄いので、ポストイットをたくさん貼っても分厚くならないのがいい。
メモする時にはサインペンを使うことが多いですね。
だから、手帳を開くとポストイットと相まって結構カラフルです(笑)」。
普段使いしているのは、IDEAのノートブック。
バカボンをはじめとしたさまざまなキャラクターが随所に登場する赤塚不二夫の手帳は、あまり使わないがお気に入りの一品
タケイグッドマン(フォトグラファー/映像作家)
映像アーティスト、フォトグラファー。スチャダラパー、小沢健二、TOKYO No.1 SOUL SETなど多くのミュージシャンと親交が深く、彼らをはじめとした多くのミュージシャンのPVやCDジャケットの撮影等を手掛ける
窪川勝哉:KATSUYA KUBOKAWA
BRAND_ LOUIS VUITTON
「10年間使い続けているルイヴィトンのモノグラム・グルームの手帳です。
リフィルは時間軸がわかりやすい他社製品に差し替えて使っています。
携帯でスケジュール管理したり、メモを取ることはまずありません。
長年、書道をやっていたため、紙に文字を書く行為自体が好きなんでしょうね。
車の助手席にもメモや手帳を置いておき、気になったことがあれば、すぐに車を停めて書き留めるということもよくしています」。
ルイヴィトンはスケジュール帳、革ケースに入れたノートはスタイリングイメージを描くのに使う。
ファーバーカステルのペンや塗装を剥がしてカスタムしたフリクションボールを愛用
窪川勝哉(インテリア&プロップスタイリスト)
インテリアからクラフト、家電までプロダクト全般に造詣が深い。雑誌やTVでのスタイリングの他、ウインドウディスプレイ、イベントのデコレーション等も手掛ける。2011年渡英。2013年より再び拠点を東京に移し活躍中。http://ameblo.jp/kubokawakatsuya/
今野真一:SHINICHI KONNO
BRAND_ MOLESKIN
「主に絵を描くために手帳を使っています。
また、日付が入っている方が、いつ描いたアイディアかわかりやすいので、このダイアリー手帳を愛用しています。
実際の自転車作りもこれに描いた些細なメモから始まります。
見返すと昔描いたアイディアがちゃんと形になっているのが面白い。
手帳を使いこなすには、手帳自体の性能も大事ですが、自分がその使い勝手に馴れることも大事。
だから、来年も必ず買えるスタンダードなものを選んでいます」。
よく使うのはファーバーカステルの鉛筆。
手帳の端にはラベルを貼って、月毎に見やすいようにアレンジしてある。
使い込むほどに表紙の革がやわらかく、味わい深くなるのも魅力
今野真一(自転車ビルダー)
オーダー自転車ブランド「CHERUBIM」のメインビルダー。独創的なフレームは世界的に評価が高く、2012年には「北米ハンドメイドビルドショー」で世界の頂点に。http://www.cherubim.jp/
※2015年03月発行『i bought VOL.09』に掲載された記事です。
※価格・販売状況は掲載当時のものになります。