mita sneakers国井栄之のスニーカートレンド予測
マーケット事情を探るべく、スニーカーの業界に精通したmita sneakers クリエイティブディレクターの国井栄之を直撃した。
目次
国井栄之にスニーカーのトレンド予測を伺った
国井栄之
洗練されたハイブリッドモデルが牽引するキックス最前線
「スニーカーが復活を遂げた2013年。その主役は’90年代生まれのハイテクモデルでした。ナイキのエアマックス90や95をはじめ、リーボックのポンプフューリー、アディダスのZXシリーズ、プーマのXTシリーズなど、’90年代に革新的なテクノロジーを搭載したランニングシューズがアップデイトされ、市場を盛り上げています。中でもナイキはルナソールやフライワイヤーといった先進技術を導入したハイブリッドが徐々に成果を上げ、2014年にはより洗練されたバランス感覚の新作を発表するでしょう。同じくエアマックスシリーズでは、夏場に裸足で履けるよう通気性と抗菌・抗臭対策を施した新感覚のモデルが発売されるとか。かたや、来年で生誕20周年を迎えるポンプフューリーは、前期型を完全復刻した記念モデルがブレイク必至です。アディダスも来年以降、オリジナルスに特化してきたカジュアルラインにエキップメント品番の投入が解禁される見込みで期待しています。また、今年はバスケットシューズでも’90年代に活躍したジョーダン、ペニー、バークレー、シャック、ムトンボらのシグネチャーが復刻されましたが、レブロンやコービーの最新モデルも好調でした。特にレブロンXIは近年稀に見る完成度の高さで、今後リリースされるリミテッドからも目が離せません。さらにカテゴリーで言えば、テニスも来そう。スタンスミスやズームテニスクラシックなど伝統的なスタイルは夏の定番、2014年のトピックになるのは間違いなし。最後に目新しいブランドとして、個人的にはルコックに注目しています。欧米でアシックスが支持されるのと同様、クラシックなランニングは世界的な潮流です。こうして眺めてみると、2014年のスニーカー市場も『’90年代』を主要なキーワードとして、新たなブランドやカテゴリーを選択肢に横方向への拡がりを見せていくでしょう」。
今年のスニーカー市場を活性化した’90sキックス進化型より、REV-LITE搭載により軽量化した new balance MRT580、インフラレッド旋風を仕掛けたNIKE AIR MAX 90 OG、秋冬の需要を下支えしたNIKE AIR MAX 90 SNEAKERBOOT NS
アーマーポジットやルナロンフォームなど先進技術を凝縮したNIKE LEBRON XI、フォームポジットの先駆けとなったペニーのシグネチャーNIKE AIR FOAMPOSITE PRO PREMIUM LE
前身モデルを含めて約半世紀の歴史を持つテニスシューズの永久定番adidas STAN SMITH
欧米市場を賑わせるクラシックランニングが来年のダークフォース、配色美にポテンシャルを秘める1987年の名機le coq sportif EUREKA、来年以降の日本再展開が期待されるαGEL搭載機asics GEL-LYTE 3 mita sneakers別注
国井栄之(mita sneakers クリエイティブディレクター)
東京の下町にスニーカーの殿堂を築いた上野「mita sneakers」のクリエイティブディレクターとして、国内外のメーカー及びブランドをパートナーにさまざまなプロジェクトを展開。販売の現場を知り尽くしたプレゼンは圧巻
※2013年12月発行『i bought VOL.04』に掲載された記事です。
※価格・販売状況は掲載当時のものになります。