オオスミタケシを射止めたUNDERCOVERなど珠玉のアイテム
PHENOMENON、そして吉井雄一とともに構築するMR.GENTLEMANのデザイナーであるオオスミタケシ。
鑑識眼のど真ん中を射止めたUNDERCOVERISMなど珠玉のアイテムを紹介。
目次
オオスミタケシの買い物について
オオスミタケシ(PHENOMENONデザイナー) 2004年にPHENOMENONをスタートし、ランウェイショーまでも行うコレクションブランドに。さらに、2012年には吉井雄一とともにMR.GENTLEMANも開始。それぞれのブランドにカラーがあり、東京という都市を色濃く反映するコンテンポラリーなブランド |
──ご自身で今年はどんな買い物をされたと思います?
オオスミ 靴に関して言うと、プラダのレザーシューズが大好きなのと、レザーシューズをスニーカー感覚で履いてしまうようなトム・ブラウンみたいなイメージが好きだったりして、ここ数年はレザーシューズばっかり履いてたんですけど、モードブランドが出すスニーカーってハイカットのラグジュアリーなイメージだったのが、バレンティノとかラフ・シモンズがスポーツスニーカーを出してきて、スニーカーもよく履くようになって買ってましたね。その流れでバッシュをまた買い始めたりして。キャップもモードっぽい無地のものではなくグラフィックが入ったものばかり選んだり。そう考えると、ブランドはもちろんハイファッションもあるんですけど、アイテム的にはストリートな感じのものが増えたかもしれませんね。
──オオスミさんはいろんなブランドの新作もよくチェックされてて、買い物が好きなイメージがすごくあるんですけど、自分にとって買い物ってどういう事柄ですか?
オオスミ 自分のイメージを変えるための作業というのかな。自分の好みの範囲だとは思うんですけど、ずっと同じ格好をしてて変わらないでいるとハラハラするというか。ちょっとでも違うイメージになりたいというか。
──自分の見た目を変えるためだけじゃなくて、人からは見えない気持ちも変わりますもんね。新しいものを買ったりすると。
オオスミ そうそう。気分も見た目も新しいところにいくためというか、変わるためというかね。
──確実に使うと思わなくても、モノとして持っておきたいから買われることってあります?
オオスミ 僕はホントそういう買い物が多くて。着なくてもとか使わなくてもとか思っても、見た瞬間モノとして欲しいと思ったら、それのことばっかり考えたり。
──欲しいものはどうやって見つけられてるんですか?
オオスミ もちろん目にして「コレ欲しい!」って思うこともあるけど、想像で「今〇〇欲しいな」って思ったら、そこから実際どんなモノがあるか調べます。すでに持ってるあのアイテムに、〇〇を合わせてコーディネイトしたらいいな、と思ったりした時とか。だから、色とか素材とかが先に思いついて、欲しいものを探し出すことの方が多いかも。
──でも、いろんなブランドの新作に目をつけられるのも早いですよね。
オオスミ きっと、誰も絶対に手に入れられないものには興味がなくて、誰もが手に入れられるものを誰よりも早く持っていたいというか。その感じを楽しんでるのかもしれませんね。
──今、狙っているものとかありますか?
オオスミ 耳当て付きのハンチングとか、ウールのハットが最近気になってて、’90年代半ばくらいから全然かぶってなかったから今新鮮に思えて。でも、逆に’90年代頃の自分のそのままの感覚に戻るのがいやで、モノとしては欲しいけど手を出せないアイテムとかもたくさんあって。今回紹介したヘッドバンドとか、チェーンネックレスとか、バッシュとかは、もちろん’90年代頃に身に着けてたアイテムなんだけど、また別のものとして自分の中に入ってきてるからフレッシュに感じて欲しいと思ったりするんですよね。
SHOES
ハイファッションからストリート、スタンダードまでがエントリー
01.JORDAN BRAND
「これはたぶん夏くらいに出て、ジョーダン4がレッドというところが最大に気に入ったポイントです」
02.EWING
「復刻されてずっと探してたんだけど売ってなくて、2ヶ月前くらいにN.Y.の友達に買ってもらいました。今年はランニングシューズの流行のながれでスニーカーをよく履くようになって、バレンティノのスニーカーとかも履いてたんだけどひと段落して、またバッシュにたどり着いた感じです」
03.VELSACE
「これはゴールドのプレート感とミニマルなデザインがすごく気に入りました」
04.BALENCIAGA
「これはいわゆるカニエ(ウエスト)シューズだから! のひと言につきますね。カニエが履いてN.Y.でも一瞬でなくなったって聞いたらよけいに欲しくなって(笑)」
05.YUKETEN
「ミスタージェントルマンでコラボしたのがきっかけで、別注して個人的に作ってもらいました。カラーがかわいくて夏によく履いてました」
06.O’KEEFFE
「クラシックな靴がほしくて買ったものです。なかなかこういう配色のものって履いたことなかったんで」
HEAD GEAR
必須ギアとも呼べるキャップはTシャツ代わりのアイデンティティー
07.RESERVEDNOTE
「AKEEMくんのブランド。やっぱりグラフィックも好きでこのペイズリーの柄も気に入ってます」
08.Richardson
「ミスタージェントルマンのグラフィックもやってくれてる上村くんのお店、ボンジュールレコードで入手しました」
09.BLACK EYE PATCH
「これはブラック・アイ・パッチという若いコたちのクルーでやってるアート集団のアイテムなんだけど、とにかくセンスがよくてアイデアもおもしろくて。その中でもこのMacのファインダーモチーフのグラフィックとかホント気に入ってます」
10.MR.GENTLEMAN
「定番で出してるaoyamaキャップの新作です。今季はヘリンボーン仕様ですね」
11.FADE TO MIND
「U.K.のベースミュージックレーベルのキャップにKIRIが別注をかけたカラーです」
12.PIGALLE
「これはピガールが期間限定のゲリラショップをやってた時に買いに行きました」
13.NIKE&CICAGO BULLS
「このヘッドバンドは昔もよくしてたんだけど、その時と違う感覚でまた気になっているというか。全体のバランスを崩すために着ける、みたいな」
14.PHENOMENON
「今季のものをデザインする時にレッドにハマってて。それで自ずとこのタータンチェックのアイテムも多くなりました」
JEWELRY
“今年の買い物ハイライト”と称すアイテムが多数ラインナップ
15.VIOTOPIA
「eriちゃんのアクセサリーブランド。ジョイントの部分に自分でチェーンを足して、カスタムしました。こういったゴールドチェーンってやっぱりB-BOYの時から着けてたんですけど、今また違う意味合いで着けたいというか。ヘアバンドみたいに、ゴールドチェーンを着けることで全体のバランスをあえて崩す感じで」
16.UNDERCOVERISM
「シンメトリーなデザインなので、左右の手の指に着けたいと思って買いました。アンダーカバーはドクロのリングは頻繁に出しているから、いつも買ってますね。アクセサリーの中でもリングは着ける頻度が高いアイテムです」
17.Supreme
「今年の僕のアクセサリーの流れとして、シルバーからゴールドに変わった感じがありますね。だからこのシュプリームのジーザスネックレスは華奢なんだけど、今年一番ヒットしたアクセサリーかもしれません」
18.CÉLINE
「これは今季のアイテムで、今回の買ったものの中で一番の目玉かも(笑)。レディースのブラウジングとかするウエストベルトなんですけど、僕はネックレスとして使ってます」
MUSIC GEAR
“聴く”だけにとどまらない、機能美を備えたこだわりの5品
19.PRADA
「海外に行った時にコンセントをつなぐ変圧器ですね。プラダが出してるというのがおもしろくて。贅沢な一品です」
20.KORG
「1万円ちょっとでいろいろ遊べるシンセサイザー。トラックもたくさん入ってて、それに合わせてシンセサイザーで曲が作れたりします。そのまま録音もできたりして。一時期ハマった時に何十曲か作ったんだけど、気に入らなくて最後まで作りきってないものばかりで(笑)」
21.Supreme
「サイズに対して、音も良くて。Bluetooth®で再生機器から音を飛ばして鳴らせるし。出張の時に活躍させようと思ってます」
22.beats by dr.dre
「今までブラックとレッドばっかりで、新しい色が出た時にブルーを買いました。音が安定していていいですよね」
23.DESERT DESIGNS
「音楽関係ならこれもいいかな、と思って(笑)。ソーイのセレクトショップ、M.I.Uの前を通りかかった時に寄って、そこで見つけて即買いました。鳴らそうと思ってというより、モノとしてすごく魅力を感じてほしいと思いました。側面の模様とかもすごく凝ってるんですよね」
SUNGLASSES
氏を形成する三種の神器というコレクションアイテムたち
24.SAINT LAURENT
「今年はサン・ローランとセリーヌばっかり選んでしまいます。やっぱりこう並べて見てわかると思うんですけど、ウェリントンタイプのものばかり買ってしまうんですよね。これもそうで」
25.CÉLINE
「ちょっと前までランバンとかの大きいサイズのものをかけてたんですけど、それが落ち着いて小さいタイプのものが気になってきたのが最近の流れですかね。セリーヌとサン・ローランは、その空気感をしっかり狙ってサングラスも出している感じがして」
26.CÉLINE
「これは前シーズンのものなんですけど、ツルのカラーリングがきれいだと思って買いました。あとセリーヌのサングラスってレンズがクリーンで見やすいんですよ」
27.SAINT LAURENT
「これもウェイファーラーの延長線上にあるようなフォルムなので自ずと手に取ってたというか」
28.Ray-Ban
「これは唯一、ヴィンテージのものをひさびさに買いました。マットなブラックというのが新鮮で。静岡の“アイヒキノ”っていうお店があって。そこのサイトに詳しくディテールも書いてあって。レイバンはほとんどそこで買ってます」
BAG
他の追随を許さないセンシティブな感覚を形にした多様なカテゴリー
29.PHENOMENON
「形も定番として出してるんだけど、この素材の質感が僕の“イマ”のMAXで」
30.G.V.G.V.
「意外にプリントが入ってるクラッチってなくて。そこに今季のテーマを象徴するグラフィックが入ってて。G.V.G.V.好きなんです(笑)」
31.BALENCIAGA
「これはクラシックなメンズっぽい、おじちゃんが持つみたいな(笑)。これが持ってる中で一番小さいバッグかな」
32.SAINT LAURENT
「クラッチバッグを持ち出して、ここ数年でメンズのバッグのサイズ感が一挙に変わったと思うんですよ。それまでこんな小さいバッグを持って出掛けたことなんてなかったから。でもそれがアリになって、容量の新感覚を味わっているというか」
33.MR.GENTLEMAN
「もちろんこれひとつでバッグとして使えるんだけど、折って新聞みたいにして、他のバッグと一緒に持ってほしくて。コンセプト的にはメインじゃないバッグ」
34.CÉLINE
「これは一番最近買ったんですけど、これに関してはストリート感のシンパシーをすごく感じてて。カジュアルな素材も好きなポイントです」
※2013年12月発行『i bought VOL.04』に掲載された記事です。
※価格・販売状況は掲載当時のものになります。