人の心を魅了するイラストレーター鈴木英人とその鮮やかな作品
グラデーションを実線で描く特徴的な描き方をし、鮮やかな作品を仕上げる鈴木英人を紹介。山下達郎やサザンオールスターズなどのCDジャケットや雑誌の表紙デザインを手掛けるなど、その画風に魅了されるファンは多い。現代アートの第一人者である鈴木英人の作品、彼のイラストレーターにとどまらない活躍に注目!
目次
鈴木英人の人物像
1948年7月6日生まれ
福岡県博多出身
神奈川県逗子市在住
イラストレーター
本名は鈴木英人(すずきひでと)でアーティスト名は同じ漢字で(すずきえいじん)またはEIZIN
デザイナーやアートディレクターを経て、1980年頃からイラストレーターとして活躍し商業デザインを行う。CDジャケット、雑誌の表紙、商品ラベルなどその活動は様々である。版画制作にも力を入れ現在ではその作品は300点上。
展覧会の開催や作品集の発売のみならず、ファンクラブでのファンとのフリートークを積極的に行うなど、多くのファンを魅了し続けている。
アメリカ西海岸の風景や海、車をモチーフとした作品が多い。
鈴木英人の作品
山下達郎のCDジャケット

出典:amazon.co.jp
鈴木英人は山下達郎のCDジャケットをいくつか手掛けているが中でも有名と思われるのが『FOR YOU』(1982年)である。アメリカの西海岸を思わせるさわやかな夏が想起され、下の端には山下達郎自身も描かれている。

出典:amazon.co.jp
他に『COME ALONG』(1980年)、『街物語』(2010年)、『LOVELAND ISLAND』(2002年)なども手掛けている。
ロックバンド ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバムジャケット
1982年にロックバンドのヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバム『ベイエリアの風』の日本盤CDジャケットを鈴木英人が手掛けた。ヒューイ・ルイスの顔のイラストになっている。
サザンオールスターズのCDジャケット
鈴木英人はサザンオールスターズの『波乗りジョニー』(2001年)のCDジャケットも手掛けている。一度見たことがある絵だと感じる方もいるのでは。
雑誌『FM STATION』の表紙デザイン
1981年の創刊から1988年まで『FM STATION』の表紙をデザインしていた。表紙だけでなく、雑誌の綴じ込み付録であったカセットレーベルのイラストも描いていた。
英語教材『NEW HORIZON』表紙
東京書籍出版の英語教材『NEW HORIZON』(1984年から1986年)の表紙を担当した。学生にとって教科書の絵の印象は大きく、より広く知られることになった。
商品パッケージのデザイン、広告キャンペーン
ミスタードーナツ、デニーズ、ニコン、富士写真フイルム、ライオン、日産自動車、新日本石油、アサヒビール、サントリー、キリンビールなど誰もが知っているような企業から依頼がくる。多くの人の目に入る機会が多く名前は知らずともこの絵は知っている、という人も多いはず。
EIZIN CLUBの活動
EIZIN CLUBとは2000年に発足した、鈴木英人公認のファンクラブである。有志のファンによる無報酬運営で会報の発行、クラブイベント、クラブ会員によるミニイベント、限定作品、オリジナルグッズの発売などを行っている。
こういったファン主体の運営は珍しく、それほど鈴木英人の作品に惚れ込んでいる人が多いということの証かもしれない。
画廊や展覧会は敷居が高く感じる人のために、より気軽に、親しく参加できるように、という目的で設立された。鈴木英人本人とファンのフリートークも行われるのが魅力に一つで、ファンとの距離が近いのもまた魅力の一つである。
イラストレーター、版画作家以外の活動
鈴木英人はその他にも、相模湾開発事業「SURF‘90」アートプロデューサー、東京都多摩地区の再開発「TAMAらいふ21」のアートディレクター、湘南国際村「モニュメント」を制作など、多岐に渡って活躍している。
鈴木英人の作品はなぜ人を魅了するのか
線と面を特徴的に生かしたイラストは、オリジナリティーを求めた結果生まれ、イラストは想像ではなく実際に見たものをもとに描くという。
イラスト技法も初期から変わらないといい、そんなこだわり抜く姿勢が作品の魅力が増し、人々を引き付けている。自然の風景や日の光がイラストの中に丁寧に描かれている。
一目見てその鮮やかさに印象に残るところが鈴木英人の作品を多くの人に知らせ、ファンに支えられている理由である。
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