スタイリストMASAH「本当にカッコイイ男」の買い物美学

スタイリストMASAHの買い物感、買い物術、買い物で一番大事なこととは。
「理想とする男性像のスタイル」という私物の時計・バッグ・ブーツをあわせて紹介する。

i bought編集部

目次

ANTIQUE ROLEX

 

ANTIQUE ROLEX

 

「アンティークのロレックスに興味を持ったのは、日頃から仕事でもお世話になっているソフネット.の清永さんの影響です。食事をご一緒した時、清永さんが着けていた金無垢のポール・ニューマン(Ref.6263)を見た瞬間に、その強烈なオーラにヤラレてしまい……。その翌日には、それまで自分が買い集めていたダイヤ入りでゴールドの現行ロレックスやパテック・フィリップにさよならを告げる覚悟を決め、アンティークのスポーツロレックスを探し始めました。その勢いで、即座に岡山にある時計屋まで足を運んだのもいい思い出です。

 

気がつけば、今では10数本のアンティークロレックスと同居しています(笑)。とにかく僕は実際に買ってみないと、そのモノが本当に良いのか悪いのかがわからないと思うんです。だから高い授業料を払って勉強している感覚ですね。例えば4桁品番のデイトナには手が届かないから、この間、5桁のデイトナを購入してみたんです。すると意外と針が見づらくて時間がわかりにくかったんですね。実際に店で見るだけではなく購入して一緒に生活してみて、やっとそのモノの良さがわかると思います。それと自分の価値観を常に確かめるためにも買い物をすることは大切だと思います。「やっぱり自分の考えは間違ってなかった」って。

 

話は変わりますが、自分が今まで雑誌で見ていた方々が、年齢やキャリアを重ねることで仕事をご一緒させていただき、以前よりも身近な関係になって、その憧れていた先輩たちが持っているモノに自分も惹かれて所有すること。これは非常に大切な行為だと思っています。憧れは憧れで終わらせたくないし、いつまでも何かに憧れていたいと思います。僕は男にも女にもカッコいいと思われたいし、人から見られる意識は誰よりも強いと思うので(笑)。それといつまでも読者目線でいたいと思っています。諸先輩方と会って話すときは、やっぱり先輩方の動向は気にして追求してしまいますよ。『あの人がblogでアレを紹介していた』とか。そしてこの企画において一番重要なことですが、ロレックスもエルメスも、金額や希少価値だけが魅力ではなく、ましてやお金があれば買えるものだとは思っていません。一番大事なのは“覚悟”です。いろんなことを学ぶことが大切だし、若かりし頃に夢中で調べてやっとの想いで買ったような楽しい買い物の仕方を忘れたくありません。

 

だから、自分はスタイリストという職業に就いたのかなと思います。それと自分と同年代でこういう会話をできる人が少ないのが残念です。“欲浅い”というか(笑)。そんな周りのせいで、勝手に僕が“欲深い”男になってるみたいなんで(笑)。とにかく昔から信じられないほどリサーチをする買い物の仕方はまったく変わらないし、そういったところからモノの本質や価値を見出すことが、僕の考える今日の買い物術だと思います」

 

ROLEX DAY-DATE 
18KYG Ref.1807

 

ROLEX DAY DATE 18KYG Ref.1807

「最初に購入したアンティークロレックスは、中央のブラウンダイアルのデイデイトです。これは偶然にも自分の生まれ年の製造番号だったこともあって、自分の中では特別な1本になりました」

 

HERMÈS HAUTA COURROIES 50&60

HERMÈS HAUTA COURROIES 50&60

「オータクロアは7~8年前にLAへ仕事で行った際、マックスフィールドで見かけたのがキッカケです。最初の印象は『でっかいエルメスのバッグだな~』と。迫力も値段もすごく、その分憧れも強くなりましたね。数も少ないので状態が良く値段も見合ったものが見つかれば海外のオークションなどで購入します。ちなみに最近バーキンの50も手に入れました」

 

HERMES HAUTA COURROIES 50 
VEAU CRISPE VACHETTE GRAINEE
DES ARDENNES

 

HERMES HAUTA COURROIES 50 VEAU CRISPE VACHETTE GRAINEE DES ARDENNES

「最初に購入したのがアルデンヌと呼ばれる型押しレザーのブラックです。オータクロアもアンティークロレックスもオールデンも、自分が理想とする男性像のスタイルなんです。これを着けてこれを持ってたらカッコいいな……みたいな(笑)」

 

ALDEN BOOT

「一度履いたら病みつきになり、以来靴はこれだけがあれば一生暮らせると思わされたオールデンのブーツ。誰かに足を掴まれたようにホールディングしてくれて、かつそこらへんのスニーカー以上に歩きやすく疲れにくい。それでいてお気に入りのカラーのデニムとも相性がいい。こんな合理的な靴は他にありません」

 

ALDEN BOOT

 

ALDEN LACE UP BOOT
MUSEAM ARK SPECIAL ORDER

 

ALDEN LACE UP BOOT MUSEAM ARK SPECIAL ORDER

 

「数日前に某カメラマンに10足ほど売却しましたが(笑)、それでもまだ40足近くは所有するオールデンのブーツ類。中でも一番のお気に入りはミュージアム・アーク別注のミリタリーラストのブーツです。サンドベージュのスウェードブーツが好きでデザイン違いで5足買いました(笑)」

 

MASAH

 

MASAH マサ

1977年生まれ。スタイリスト三田真一氏から独立。EXILE、三代目J Soul Brothers、秦基博などのミュージシャンをはじめ、さまざまなファッション誌、カタログ、広告等で活動中

※2013年7月発行『i bought VOL.02』に掲載された記事です。

※価格・販売状況は掲載当時のものになります。

 

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スタイリストMASAHが真面目に考える 本当にカッコイイ男の服装術

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